ロックダウンが続く上海の生の声を記録した動画「四月之声」が当局の検閲を掻い潜り4億回以上視聴される
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を受け、2022年4月1日頃から本格的な都市封鎖(ロックダウン)が行われている中国・上海で、市民の都市封鎖に対する生の声を集めた動画「四月之声」がチャットアプリを通じて公開されました。当局はこの動画を違法と見なして削除しましたが、市民は動画のURLをQRコードに変換するなどして巧みに拡散を続けています。
Shanghai video overwhelms Chinese censor, gets 400m views
https://austrianchina.substack.com/p/shanghai-video-gets-400m-views
Shanghai: video maker urges people to stop sharing film critical of Covid lockdown | China | The Guardian
https://www.theguardian.com/world/2022/apr/22/sound-of-april-chinese-netizens-get-creative-to-keep-censored-film-in-circulation
四月之声はロックダウンが続く上海における食料配給や厳しい外出禁止令、病院などの実態を示す市民の生の声や、政府関係者とされる人物との会話が含まれた6分ほどの短い動画です。英語字幕が付けられた当該動画は以下から確認することができます。
四月之声英文字幕 English Subtitle, Voice from Shanghai lockdown - YouTube
この動画が公開されたのは北京時間2022年4月22日の20時のこと。中国のメッセージングアプリであるWeChat(微信)に突如として投稿され、不満の声を取り上げつついち早い上海の回復を願う言葉で締めくくられたこの動画は1時間ほどで3000万回以上再生されたと報告されています。
しかし、この時点で中国当局による手動の検閲が行われ、動画の削除や転載動画の取り締まり、検索キーワードの検閲などが行われました。これにより動画に関する文章、BGM、写真などは全て削除され、「四月」などの単語で検索しても結果に浮上しない状況となったとのこと。
by Alek 龍道家
しかし、上海市民や外部の人々は検閲のスピードを上回る勢いで動画を拡散し、映画のポスターにQRコードを埋め込んだり、他の人をクラウドサービスに誘導してダウンロードさせたりして、削除されても何度も形を変えて再投稿を繰り返したと伝えられています。このことにより、視聴回数を示すトラフィックは一両日中に4億回を超えたとのことです。
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