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Facebookから流出した内部文書「Facebook Papers」から大統領選挙や議事堂襲撃事件に関する一部の文書が公開される

by www.thoughtcatalog.com

2021年9月、Facebookの内部告発者によって「Facebook Papers」と呼ばれる内部文書が流出し、「Instagramは10代の若者にとって有害という調査結果を隠していた」「Facebookは新型コロナウイルス感染症のワクチンに関する誤情報への準備が不十分だった」といった情報が明るみになりました。新たに海外メディアのGizmodoが、これまで議会やメディアが独占的に共有していたFacebook Papersのうち28件の文書を一般に向けて公開しました。

Facebook Papers Directory
https://gizmodo.com/facebook-papers-how-to-read-1848702919

Facebook Papers on Donald Trump, the 2020 Election, and Jan. 6
https://gizmodo.com/facebook-papers-donald-trump-2020-election-jan-6-capito-1848698220

ウォール・ストリート・ジャーナルは2021年9月、Facebookが「Instagramは10代の若者にとって有害」という調査結果を認識していながらもこの情報を隠し、「SNSの使用がメンタルヘルスにとって有益な可能性がある」と発信していたことを、内部告発者からもたらされた内部文書に基づいて報じました。

Instagramが10代の若者にとって有害だとFacebookは認識し続けていたことが判明 - GIGAZINE


後に、「Facebook Papers」と呼ばれる問題の内部文書は、FacebookでCivic Misinformationチームのプロダクトマネージャーを務めていたフランシス・ハウゲン氏が流出させたものと判明しました。ハウゲン氏はインタビューの中で、Facebookは「人々にとって良いもの」と「Facebookにとって良いもの」の衝突において、常に自社の利益を最適化させる方法を選択してきたと主張。「Facebookは安全よりも自社の成長を優先させた」と非難しています。

Facebook Papersに含まれていたのはInstagramに関するものだけでなく、「Facebookは新型コロナウイルス感染症のワクチンに関する誤情報への準備が不十分だった」「FacebookはAppleから『アプリで労働者が売買されている現状』に対応するよう警告されていた」「マーク・ザッカーバーグCEOが従業員のアイデアを直接拒否することがあった」といった文書も明らかになっています。

内部告発によって流出したFacebookの内部文書「Facebook Papers」に書かれた主要な問題点まとめ - GIGAZINE


そして2022年4月18日、Gizmodoは「かつては機密だったこれらの記録を一般の人々が利用できるようにする進行中のプロジェクトの一環として、Gizmodoは本日初めて、以前は議会やメディアと独占的に共有されていた28件の文書を公開しました」と報告しました。なお、Metaはこのリリースについてコメントを控えたとのことです。

GizmodoはFacebook Papersについて、2021年1月6日に発生したアメリカ連邦議会議事堂襲撃事件に関連して、Facebook従業員が幹部の対応に不満を持っていたことを示すスクリーンショットや、Facebookが有権者を抑圧する活動やヘイトスピーチの情報源になっていることを示す調査結果も含まれていたと指摘。「私たちはこのプロジェクトを、さまざまな論争において、そして現代史における最も厄介な危機においてFacebookが果たした役割について、一般の人々によりよい知識を提供すると共に、一般的な知識の向上につながることを期待している資料へのアクセスを研究者に提供するために実施しています」とGizmodoは述べています。

Gizmodoが法的・学術的パートナーと共同で公開した文書の一覧は以下の通り。

◆2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件に関する文書
・事件後に結成された「インテグリティ製品オペレーションセンター(IPOC)」が講じた措置について
・Facebookのマイク・シュレーファーCTOによる事件へのコメント
・事件に関して実施された「表現の自由調査」の結果
・事件に関するFacebook投稿についてのデータその1
・事件に関するFacebook投稿についてのデータその2
・従業員がソーシャルメディアにはびこる「暴力のレトリック」について解説する内部投稿


◆「複雑な金融機関」を監視する選挙関連タスクフォースに関する文書
・タスクフォースが担当していた作業の振り返りと将来の展望
・2020年第3四半期におけるタスクフォースの活動

◆2020年のアメリカ大統領選挙関連ページや投稿に関する文書
・市民コンテンツに関するユーザーエンゲージメント
・トップの市民ページによる視聴者獲得についての研究
・政治関連コンテンツがFacebookユーザーのエクスペリエンスや感情に与える影響について
・Facebook上の政治関連コンテンツが消費者体験にもたらす影響とFacebookの対策について

◆選挙関連の内部調査に関する文書
・Facebook上の有権者を抑圧するコンテンツについて
・Facebook独自のモデレーションプログラム「XCheck」への市民ユーザーの追加について

FacebookにはVIPユーザーが580万人存在、モデレーション監視外で独自の「XCheck」プログラム適用 - GIGAZINE


◆選挙関連の内部提案に関する文書
・COVID-19や政治関連のニュースを処理するアイデア
・「有権者の抑圧」の定義拡大に関する提案
・どのユーザーが大量のヘイトスピーチにさらされているのかを知る方法について

◆選挙関連の内部説明に関する文書
・「有権者の抑圧」の実態を明らかにする方法の概念的枠組み

◆選挙関連プラットフォームと製品アップデートに関する文書
・選挙の完全性を維持する取り組みについて
・政治団体がプラットフォーム全体でオススメされるのを阻止する計画
・政治団体がプラットフォーム全体でオススメされるのを阻止する計画の進捗
・Facebookの危機検出戦略の進化について
・有権者の抑圧や政治的誤情報のリスクが高いユーザーを特定する「Civic Targeting Risk Scores」について
・人気コンテンツの整合性レビューについて

◆その他の文書
・政治的パブリッシャーに関する情報
・ホワイトハウスのInstagramに対する敵対的コメントについての警告メモ
・あるプロダクトマネージャーによる2020年の大統領選挙に関する反省
・選挙関連の雑多な議題について


Gizmodoは今後も法的・学術的パートナーと協力し、個人のプライバシーへのコストやその他の害を最小限に抑えつつ、公共の利益のために追加の内部文書を公開していく予定だとしています。

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in ネットサービス, Posted by log1h_ik

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