最恐の更生施設「Élan School」での「深夜に拘束されて強制入校」「他人との接触禁止」といった壮絶な体験談が公開中
問題行動を起こす子どもを更正させることを目的とした施設は世界中に存在していますが、日本における戸塚ヨットスクール事件のように死亡事故を伴う体罰問題が明るみになる場合もあります。アメリカのメイン州にはかつて「Élan School」と呼ばれる更正施設が存在しましたが、相次ぐ体罰報告を受けて閉鎖されました。このÉlan Schoolでの壮絶な経験について、過去にÉlan Schoolに入所していたJoe氏(偽名)がイラストを多用しながらまとめています。
Elan.School
https://elan.school/
Élan Schoolは1970年に設立された男女共学の寄宿学校で、問題行動を起こす子どもの矯正指導を特徴としていました。しかし、Élan Schoolの卒業生らの証言によって体罰が常態化していた事実が判明し、2011年に閉鎖しました。Joe氏はこのÉlan Schoolに入校していた人物で、Élan Schoolの実態を後世に残すために自身の体験を公開しています。
◆Élan Schoolへの強制入校
Joe氏の体験談はÉlan Schoolへの入校の時点で常軌を逸しています。当時16歳だったJoe氏が眠っていると、深夜2時頃に2人の男性が部屋に侵入してきてJoe氏を拘束。そのまま有無を言わさず自動車に運び込まれてしまいました。
自動車は高速道路を走り続け、Joe氏はミズーリ州に位置するJoe氏の家から数千km離れたメイン州のÉlan Schoolまで連れていかれました。
突然拘束されてÉlan Schoolまで連れてこられたJoe氏は状況を受け入れられず、森の中へ逃げ出したとのこと。
しかし、森にはÉlan Schoolの関係者が待ち構えており、Joe氏は逃走に失敗。そのままÉlan Schoolに入校することとなりました。
◆Élan Schoolのルール
Élan Schoolでは、所属する子どもの個性が徹底的に排除されていたとのこと。例えば、Joe氏が入校時に着用していた服や所持品は没収され、黄色のシャツにピンクのショートパンツが支給されました。この服装には「目立つ色で逃亡を防ぐ」「武器を隠し持つスペースを排除する」といった効果があったとJoe氏は述べています。
また、Élan Schoolでは反抗を不可能にする罰が与られることもありました。例えば、逃亡を試みたJoe氏は「靴ひもを抜いた靴で1カ月過ごす」という罰を与えられたとのこと。
Élan Schoolに入校した直後、Joe氏は「兄役」を務める他の入校者と常に行動を共にするように指示されました。しかし、互いに物理的に接触することは厳格に禁じられており、あいさつの握手すらできなかったとのこと。Joe氏はこの兄役から、Élan Schoolの入校者は「STRENGTH(強い)」と「NON-STRENGTH(強くない)」という2つの階級に分けられており、「STRENGTH同士」「STRENGTHとNON-STRENGTH」という組み合わせでは会話できるものの、「NON-STRENGTH同士」では会話だけでなく目を合わせることすら禁止されているというルールを教わりました。他にも「大きな声で話す」「砕けた調子で話す」「窓の外を眺める」「許可されていない音楽を聴く」「シャワー時間が3分を超過する」といった行動が違反行為とされており、違反行為をした者は厳しく罰せられることも教わりました。
その後、Joe氏は指導官たちに呼び出されて30~40カ月Élan Schoolで過ごさなければならないことを告げられたとのこと。
上記の内容はJoeが公開している体験談のほんの一部で、内容が気になった場合は以下のページから閲覧可能です。
Elan.School
https://elan.school/
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