切手サイズの「呪いのお守り」が古代の遺跡から発見される
パレスチナ自治区のヨルダン川西岸地区から、少なくとも3200年前のものと見られる鉛のお守りが発見されたことが分かりました。お守りはおよそ2cm四方の大きさで、聖書に基づく逸話から「呪いのお守り」と呼ばれています。
ABR Researchers Discover the Oldest Known Proto-Hebrew Inscription Ever Found - Associates for Biblical Research
https://biblearchaeology.org/current-events-list/4896-abr-researchers-discover-the-oldest-known-proto-hebrew-inscription-ever-found
Amulet with Possible Hebrew Inscription Discovered on Mt. Ebal - Associates for Biblical Research
https://biblearchaeology.org/current-events-list/4885-amulet-with-possible-hebrew-inscription-discovered-on-mt-ebal
40-year-old odyssey uncovers original ‘Home of God’ at Mount Ebal - The Jerusalem Post
https://www.jpost.com/archaeology/article-694662
Ancient 'curse tablet' may show earliest Hebrew name of God | Live Science
https://www.livescience.com/ancient-curse-tablet-early-hebrew
お守りは鉛の板を折り畳んで作られており、大きさは縦横わずか2cm。板の間に文字が刻まれた碑文が隠されており、CTスキャンで分析した結果、ヘブライ語のアルファベットの1番目の文字「アレフ」と見られる文字と、ハスの花に似た記号が刻まれていたとのことです。
このお守りは1980年代にヨルダン川西岸地区のエバル山から発掘された堆積物を洗い直していた際に見つかったもので、エバル山の尾根に存在する「ジョシュアの祭壇」と呼ばれる古代の石造りの構造物から出土したものであるとのこと。エバル山はヘブライ語聖書に登場する場所で、モーセに導かれた古代イスラエル人が訪れ、呪いを発した山だとされています。
鉛の同位体の分析結果や使用されている文字の特徴などから、お守りは少なくとも紀元前1200年頃、おそらく紀元前1400年頃に作られたものであると、発掘調査責任者のスコット・ストリッピング氏は考察しています。正確な年代が明らかになった場合、このお守りは古代イスラエル人が字を扱っていたことを示す最も古い証拠と認定され、既存の証拠からさらに数百年さかのぼることになるそうです。
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