Microsoftがついにゲームの読み込み時間を高速化する「DirectStorage」をWindowsに導入すると発表
Microsoftは、2020年9月にDirectX開発者ブログで、高速NVMeストレージからGPUに膨大な量のデータを直接読み出す技術「DirectStorage」をWindowsにも導入する予定であると宣言しました。そして、ついにMicrosoftが「DirectStorageを可能にするAPIをWindowsのゲームにも搭載できるようにする」と発表しました。
DirectStorage API Now Available on PC - DirectX Developer Blog
https://devblogs.microsoft.com/directx/directstorage-api-available-on-pc/
Microsoft releases DirectStorage: ‘a new era of fast load times and detailed worlds in PC games’ - The Verge
https://www.theverge.com/2022/3/14/22978223/microsoft-directstorage-api-xbox-velocity-windows-pc-nvme-load-times
ゲームのデータはストレージからメモリに読み込まれ、CPUで解凍処理された後にGPUのVRAMへ転送されます。しかし、この方式だとCPUへの負荷が増大してしまうという問題がありました。
しかし、ストレージ技術が進化して毎秒数GBという転送速度が実現したことで、大量のデータを一度にメモリへ読み込むことが可能になりました。DirectStorage APIは、NVMeストレージからデータをメモリに読み込んだ後、CPUを経由せずに直接GPUのVRAMに転送することを可能にします。これによってCPUの負荷が軽減され、さらにゲームのロード時間が大きく短縮され、グラフィックも向上するとMicrosoftは述べています。
DirectStorageはWindows 11向けの機能として発表されており、Windows 10バージョン1909以降でも利用可能だとMicrosoftは述べています。また、このDirectStorageは、家庭用ゲーム機であるXbox Series Xのコアテクノロジー「Velocityアーキテクチャ」の一部にも搭載されています。
ただし、今回発表されたのは「Windows向けゲームの開発者にDirectStorage APIを公開する」というものであり、実際にDirectStorageによるロードの爆速化を体験できるのは、DirectStorage APIを採用したゲームが市場に出回ってからになります。
また、IT系ニュースサイトのThe Vergeは、「高速NVMeストレージに移行しているPCゲーマーがそこまで多くないこと、また『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』のように高速でローディングするように設計されたゲームがまだ少ないことを考えると、開発者がDirectStorage APIを導入することに疑問を持つのは無理もないでしょう」と述べ、PCゲームを取り巻く環境と市場がDirectStorage APIに追いついていないと指摘しました。
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