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「もしも核戦争が起きたら」を地図上でシミュレーションする「Nuclear War Map」、たった3分で投下された26発の核弾頭が約100万人を死に追いやる戦慄の結果に


2022年2月24日にロシアがウクライナへの侵攻を始めてから、各国政府はロシアに対して経済制裁を実施し、ロシアをサービス対象から除外するなどの措置を取る企業も出ています。ますます孤立を深めるロシアは、第三次世界大戦も辞さない覚悟で欧米諸国に対し核兵器の存在をほのめかしていると報じられており、アメリカも核戦争に備えてドゥームズデイ・プレーンの訓練を開始したと報じられています。もしもこれらの報道通りにロシアが核兵器を使った戦争を起こした場合、世界は一体どうなってしまうのかという疑問に答えてくれるサービスが「Nuclear War Map」です。

Nuclear War Map: what would happen in a nuclear war?
https://www.nuclearwarmap.com/

「Nuclear War Map」は、核兵器に関する非機密の文章データと現代兵器に関する物理学および放射性降下物のパターンに関するオープンデータをベースに、「もしも核弾頭がアメリカに降り注いだら」をシミュレーションするツール。「Nuclear War Map」の作者であるコンピューターサイエンティストのクリストファー・ミンソン氏は、「ハードサイエンスと既知のターゲティング戦略に基づく現実的なシミュレーションです」と記しています。

「Nuclear War Map」には2つのシミュレーションがあり、ひとつは約1100発の核弾頭(全世界に存在する約7%)がアメリカ全土に降り注いだ場合をシミュレーションする「Large-Scale Attack Simulator(USA)」です。Nuclear War Mapにアクセスして、「Large-Scale Attack Simulator(USA)」という表記の下部にある「Run Simulation」をクリックすることでシミュレーションを開始できます。


画面左上の「launch」をクリック。


するとアメリカ全土を映した地図が表示され……


一気にピンが降りていきます。マップ上のピンおよびオレンジ色の円などが核兵器を受けた場所です。マップ左上には核攻撃を受けてから経過した時間を表す「minutes(分)」、攻撃の標的となった場所の数を表す「targets(標的)」、アメリカに降り注いだ核弾頭の数を表す「warheads(弾頭数)」、投下された核弾頭の爆発力をメガトン換算した「megatons(メガトン)」、核弾頭による犠牲者の数を表す「casualies(犠牲者)」が記されています。シミュレーションによると攻撃開始からわずか3分で25の都市に26発の核弾頭が投下され、96万人超が犠牲になるとのこと。


核攻撃開始から15分で標的となった都市の数は128、投下された弾頭の数は234発、犠牲者数は960万人超まで膨れ上がっています。


さらに15分が経過すると、攻撃の標的となった都市の数は153、投下された弾頭の数は436発、犠牲者数は1800万人超まで増加。


攻撃開始からちょうど60分(1時間)が経過した時点だと、攻撃の標的となった都市の数は209、投下された弾頭の数は684発、犠牲者数は6100万人超に。


攻撃開始から90分が経過すると、攻撃の標的となった都市の数は327、投下された弾頭の数は847発、犠牲者数は1億1000万人超となり犠牲者の数が1億の大台を突破。


シミュレーションは核攻撃開始から120分(2時間)までで、最終的に攻撃を受けた都市の数は388、投下された弾頭は1069発、犠牲者数は1億8000万人超となっています。マップ上のピンをクリックすると主要都市別の数字をチェック可能で、アメリカの首都であるワシントンD.C.の場合、投下された弾頭数は9発、犠牲者数は64万人と試算されています。


続いて、ページ下部にある「Single-City Attack Simulator(USA)」を使ってみます。「Single-City Attack Simulator(USA)」では住民が2万人以上の任意の都市に核爆弾が投下された場合をシミュレーション可能。使い方は簡単で、Nuclear War Mapにアクセスして「Single-City Attack Simulator(USA)」の下部にある「Run Simulation」をクリック。


画面上に上から「核爆弾を落とされる都市」、核爆弾の威力、核爆弾が爆発する位置を指定できます。今回は初期状態で入力されていた、テキサス州ダラス(Dallas, Texas)で500キロトン(500kt)の核爆弾が空中(Air)で爆発という設定で「launch」をクリック。


すると、地図でダラスが表示され、エリア内の人々が100%死亡する場合は赤色、100%負傷あるいは死亡する場合はピンク色、大けがあるいは死亡する場合は黄色に色分けされています。今回の場合、爆心地から0.45マイル(約720メートル)のエリアは100%死亡、爆心地から3.47マイル(約5.6km)のエリアは100%負傷あるいは死亡、爆心地から9.46マイル(約15km)のエリアは大けがあるいは死亡となります。


核爆弾の威力を変えずに爆発する場所を「Air(空中)」から「Surface(地上)」に変更して「launch」をクリック。


すると地図上の表記が以下のように変化し、赤色・ピンク色・黄色のエリア以外に爆心地から東に伸びるエリアが新たに形成されています。これは放射性降下物により死亡する可能性のあるエリアで、今回のシミュレーションの場合は爆心地から東に40.89マイル(約66km)がその範囲となる模様。

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in レビュー,   ネットサービス, Posted by logu_ii

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