Googleの「うちの検索結果はお金では買えない」という古い記事が発掘されて話題に

by Robert Scoble
Googleで検索をして調べることを示す「ググる」という言葉があるように、Googleは検索および広告市場で大きなシェアを持っていますが、近年は反競争的だと批判されることもしばしばです。そんなGoogleが、自社の検索サービスがいかにユーザーに対して誠実かを主張する古い記事が見つかり、近年のGoogle検索のあり方と大きく違うのではないかとの指摘が相次いでいます。
広告の掲載位置は購入できても、検索結果の順位は購入できない理由 – Google
https://www.google.com/about/honestresults/
インターネット上の偽レビューなどを分析するサービス・LOORIAの共同創設者であるエイドリアン・クレブス氏は2022年2月1日に、「面白い物を見つけました。このGoogleの記事は、検索結果の上に広告を表示するという、当時のGoogleの競合他社が使っていたやり方を批判しています。以前、Googleでは検索結果の右側に広告が表示されるだけでした」とツイートしました。
Wow, this is gold. The post critiques the practice of displaying ads above search results, a method used by some of Google's competitors back then. At the time Google published this, it only put ads in the sidebar to the right of search results:https://t.co/uCVVsXcYvZ pic.twitter.com/acH2tkJlYr
— Adrian Krebs (@krebs_adrian) January 31, 2022
クレブス氏がスクリーンショットを掲載したGoogleの記事は、Google検索では広告主が金銭を支払って自分の製品やサービスを検索結果で優位にすることはできないという趣旨のものです。一方、当該記事には「Googleで表示される広告は、広告であることが明記され、実際の検索結果とは区別された場所に表示されます。広告主はより多くのお金を払うことで、広告表示エリアのより目立つ場所に広告を掲載することができます。しかし、いくらお金を払っても検索結果内での順位を上げることは誰にもできません」とも書かれています。
しかし、当時のGoogleの主張とは裏腹に、記事作成時点では検索結果の上位に広告が表示されます。確かに「広告」と書かれてはいるものの、広告エリアが色分けされたり枠で囲われたりしているわけではないので、検索結果と広告を見間違えてしまう可能性もあります。

前述のGoogleの記事には日付が記載されていないため、いつ公開されたものかは不明ですが、Internet Archiveが提供しているWayback Machineで検索すると2015年12月までさかのぼれるため、少なくともこれ以前に公開された古い記事だということが分かります。
クレブス氏のツイートには記事作成時点で105件のリツイートと242件の「いいね」が寄せられているほか、ツイートを取り上げたソーシャルニュースサイト・Hacker Newsのスレッドには、記事作成時点で139件ものコメントが寄せられ、活発な議論が展開されています。
例えば、あるHacker Newsのユーザーは、Googleの創業者であるラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏が学生時代に執筆した論文である「(PDFファイル)The Anatomy of a Large-Scale Hypertextual Web Search Engine」から「一般に、消費者の立場からは、検索エンジンが優れていればいるほど消費者が欲しいものを見つけるために必要な広告が少なくて済むと主張することができます。これはもちろん、既存の検索エンジンの広告に支えられたビジネスモデルを侵食するものです」といった文章を引用し、設立当初のGoogleの理念と現在のGoogle検索の姿勢には差異があることを示唆しました。
また、よりストレートに「それは昔の話だということでしょう。Googleの当初のモットーは『Don't be evil(邪悪になるな)』でしたが、数年後には撤回されました」と批判する書き込みもあります。

by Emmet Connolly
その一方で、「Googleの記事には、クレブス氏が主張したことは全く書かれていません。当時の検索市場をとりまく環境を考えると、元の記事は明らかに検索結果のレイアウトのことではなく、支払いに基づいてオーガニック検索結果を並び替えることについて言及したものです」と指摘する投稿もありました。
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