ターゲット広告への未成年データ使用禁止やダークパターン制限を含むデジタルサービス法案が欧州議会を通過
一般消費者が安全な製品やオンラインサービスを利用できるようにすることを目的として欧州委員会が提案していた「デジタルサービス法(DSA)」案が賛成530票、反対78票、棄権80票で欧州議会を通過しました。DSAはEU理事会の議長国・フランスが承認すれば発効することになります。
Digital Services Act: regulating platforms for a safer online space for users | News | European Parliament
https://www.europarl.europa.eu/news/en/press-room/20220114IPR21017/digital-services-act-regulating-platforms-for-a-safer-online-space-for-users
MEPs adopt Digital Services Act with significant last-minute changes – EURACTIV.com
https://www.euractiv.com/section/digital/news/meps-adopt-digital-services-act-with-significant-last-minute-changes/
European Parliament pushes to ban targeted ads based on health, religion or sexual orientation – POLITICO
https://www.politico.eu/article/european-parliament-bans-use-of-sensitive-personal-data-for-targeted-ads/
DSAは「違法コンテンツ排除と偽情報拡散防止」や「ターゲット広告禁止」などにより、消費者と一般市民の利益を守るためのルールを制定しようとする法案です。
たとえば、ホスティングサービス提供者は通知を受けたとき、「不当に遅れることなく、通知された違法コンテンツの種類と対策の緊急性を考慮」して行動するよう求められています。
また、超大型プラットフォームは違法コンテンツ・有害コンテンツの拡散で特にリスクが大きいため、リスク評価の義務化、リスク軽減、独立監査、「レコメンドシステム」の透明性に関する規定を含めることで、有害コンテンツやデマ拡散への対処を支援することが定められています。
ただし、議会は欧州委員会からの提案に対して何点かの変更を加えています。たとえば、零細企業、小規模企業はDSAの義務対象から外れています。また、「ターゲット広告の禁止」において、「未成年者のデータを含むことを禁止する」という条件がつけられています。これは反対意見が多かったための妥協点だったとのこと。
法案はEU理事会議長国であるフランスがゴーサインを出せば2023年にも発効する可能性があるとのこと。ただし、フランスはこの種の規制には消極的だとのことです。
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