温暖化で海面上昇するとどこが水没するか一発で分かる地図「Flood Maps」レビュー、未来の日本の海岸線はどうなっているのか?

近年の研究により、地球温暖化がもたらす海面上昇の深刻さは従来の想定の4倍以上だということが判明していることから、特に沿岸部の都市や島国では対策がこれまでより一層急務だとされています。温暖化で海面上昇するとどこが水没するか分かる地図である「Flood Maps」を見ると、地球温暖化で真っ先に海の底に沈んでしまう都市や、自分が住んでいる地域に海面上昇の影響が直撃するのかどうかを一目で知ることが可能とのことなので、実際に使ってみました。
Flood Maps
http://flood.firetree.net/
上記のURLにアクセスするとこんな感じ。上下左右にドラッグすると地図を移動できるほか、右上の「China & Japan」をクリックすると一発で日本までジャンプすることができます。

これが、海面が7m上昇した未来の日本の姿です。例えば、グリーンランド氷床がすべて融解すると海面は7m上昇するといわれています。

左上の赤枠で囲ったボタンをクリックしたり、PCの場合はホイール操作、スマートフォンの場合はピンチイン/ピンチアウト操作をしたりすることで拡大・縮小が可能。試しに東京都を拡大してみると、首都圏の広い範囲が水没してしまっていることが分かります。

日本第2の都市である大阪はこんな感じ。大阪湾沿岸部に加えて大阪市の東側まで水没しています。

日本最大の企業・トヨタのお膝元の愛知県を含む中部地方でも、内陸県のはずの岐阜県まで海が広がってしまいました。

左上の「Satellite」をクリックすると、地図を衛星写真に切り替えることができます。

左上のタブから、上昇する海面の高さを変更可能。「0m」を選ぶと、沿岸地域が水没していない見慣れた地図になりました。

かなり極端な想定ですが、最大の「60m」にすると首都圏がほぼ完全に海の底に沈みました。

日本列島の形も大きく変わってしまっていました。

見ている範囲や海面の設定は左下のURLで共有できるほか、各SNSのアイコンでそれぞれFacebook・Twitter・Redditに投稿することも可能です。

制作者のアレックス・ティングル氏によると、このマップはNASAから提供された合計50GBものデータを元に作成したものだとのこと。NASAのデータに多少の誤差があるほか、海岸線の浸食や海に面した都市による防衛策などが加味されていないため将来必ずこうなるとは限りませんが、ティングル氏は「現在進行中の地球温暖化がもたらす結果を人々に警告することに興味があります」とコメントしました。
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