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AppleやBoseなどの大手メーカーも含むすべてのヘッドホン&イヤホンから有害な物質が検出されたことがEUの支援を受けた調査で判明


EUの資金援助を受けた中央ヨーロッパ5カ国で行われた調査により、高級モデル・安価な輸入品を問わず分析対象となった全てのヘッドホンから有害な化学物質が検出されたことが報告されました。調査にはAppleやSamsung、Boseといった主要ブランドも含まれており、一部の販売業者は関連するヘッドホンの販売を中止しています。

The Sound of Contamination: All Analysed Headphones on the Central European Market Found to Contain Hormone-Disrupting Chemicals
https://arnika.org/en/news/the-sound-of-contamination-all-analysed-headphones-on-the-central-european-market-found-to-contain-hormone-disrupting-chemicals


The_sound_of_contamination_Briefing_Paper_ToxFreeLife.pdf
(PDFファイル)file:///C:/Users/doihu/Downloads/The_sound_of_contamination_Briefing_Paper_ToxFreeLife.pdf

European retailers yank popular headphones after study reports trace amounts of hormone-disrupting chemicals | The Verge
https://www.theverge.com/science/894771/headphones-hormone-disrupting-chemicals-study

有害化学物質の削減を目指す国際プロジェクト「ToxFree LIFE for Allプロジェクト」は、衣類、化粧品、家具への有害物質の使用禁止を求めるため、幅広い製品の調査や規制を求める活動を実施しています。プロジェクトの一環として、チェコの環境団体であるArnikaは、中央ヨーロッパ全域およびオンラインマーケットで販売されている81種類のヘッドホンおよびイヤホン製品の化学物質調査を実施しました。調査対象となった製品はApple、Beats、Samsung、Bose、JBL、Sennheiserなど主要ブランドを含む複数ブランドにわたるもので、いずれも一般的な小売市場で入手可能なものです。


調査では、各製品について「肌に触れる部分」「肌に触れない部分」「製品全体の評価」の3つの項目でスコアを付けました。各項目について、「リスクが最も低い」は「緑」、「法的基準を満たしているが自主的な厳しい制限を超えている」は「黄」、「懸念が必要」または「法的基準を満たしていない」「複数の有害物質が含まれている」サンプルは「赤」の評価を受けました。総合評価は緑が42%、黄が14%、赤が44%。皮膚に接触する部分の評価は緑が68%とリスクが低いと判断された製品が多かったものの、皮膚に接触しない部分の評価は黄と赤を合わせて58%と半数以上に一定以上の有害な化学物質が含まれると判断されました。


AppleのAirPods Pro 2とJBLのTune 720BTは、すべての項目で緑色の評価を獲得しました。しかし、同じブランドが製造した製品間でも結果はまちまちで、JBLのWave Beamと子供向けヘッドホンのJR310BTは、肌に触れない部分と製品全体の評価で赤色の評価となりました。また、HPのHyperX Cloud IIIゲーミングヘッドセットとRazerのKraken V3は、3つの評価項目すべてで赤色の評価となりました。

分析の結果、調査したすべての製品から「内分泌かく乱物質」である「ビスフェノール」が検出されました。ビスフェノール類は体内のホルモン作用を乱す可能性があり、長期的には生殖機能や発達への影響が懸念されていることから、EUでは2025年1月から食品接触素材へのビスフェノール類の使用が禁止されています。

調査では、広く規制されているビスフェノールAはサンプルの98%から検出され、その代替物質であるビスフェノールSは4分の3以上から検出されたとのこと。ビスフェノール類の最大濃度は351mg/kgに達し、欧州化学物質庁(ECHA)が提案した制限値である10mg/kgを大幅に上回ったことも報告されています。特に有害な化学物質の濃度が高かったのはオンラインマーケットで購入した輸入品ですが、有名ブランドや高級モデルでも同様に確認されたとArnikaは指摘しました。

Arnikaの化学専門家であるカロリーナ・ブラブコヴァ氏は「これらの化学物質は単なる添加物ではなく、ヘッドホンから私たちの体内に移行している可能性があります。日常的な使用、特に熱と汗が発生する運動中は、皮膚への移行が加速されます。差し迫った健康リスクはありませんが、特に10代などのグループにおける長期的な使用は大きな懸念事項です。私たちの自然なホルモンを模倣する内分泌かく乱物質には、安全なレベルはありません」と述べています。


またArnikaは、EUがビスフェノールAを規制したことで、ほぼ同じように作用するビスフェノールSに置き換えられたという現状を「残念な代替」と表現しています。Arnikaによると、製造業者は分子の一部だけを変更することが多く、それにより現行の規制からは外れるものの、その毒性作用は改善されていないことがあるとのこと。

Arnikaの調査報告を受けて、オランダのオンライン小売業者であるBol.com、Coolblue、Mediamarktは、製品に有害物質が含まれている可能性がある様々なヘッドホンモデルの販売を中止しました。また、オランダの小売チェーンのHEMAも「製造元と協議の上、調査結果を検討します。当社は常に細心の注意を払い、欧州の基準を遵守しています」と述べ、関連するヘッドホンの販売を一時的に停止することを発表しました。

テクノロジー系メディアのThe Vergeが調査対象となった主要メーカー11社に問い合わせたところ、回答があったのはBose、Sennheiser、Marshallの3社のみで、いずれも「自社製品は法的安全基準を満たしている」と回答したそうです。Sennheiserは自社のデータを検証して今後の対応を決定するために調査の正確なデータをArnikaに求めましたが、要求したデータは提供されませんでした。

ブラブコヴァ氏によると、今回の調査結果はあくまでヘッドホンの一部に有害な化学物質が含まれているという注意喚起であり、これらのヘッドホンを使用することによる差し迫った危険はなく、濃度も極めて低いそうです。しかし、日常生活の中で有害な化学物質にさまざまな形でさらされていることを認識し、そのリスクに配慮することは重要であるとブラブコヴァ氏は強調しました。その上で、メーカーや規制当局に対し、化学物質の使用状況の開示と安全性確保を強化するよう呼びかけています。

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in ハードウェア, Posted by log1e_dh

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