将来のChrome代替ブラウザとして注目されるLadybirdがC++からRustへの移行を開始、AIを活用し2週間でJavaScriptエンジンの移植に成功

ウェブブラウザのLadybirdがC++に代わるプログラミング言語としてRustを採用したことを発表しました。すでにJavaScriptエンジンをRustベースに置き換えることに成功しています。
Ladybird adopts Rust, with help from AI - Ladybird
https://ladybird.org/posts/adopting-rust/
Over the last ~2 weeks I've rewritten the @ladybirdbrowser JavaScript compiler in Rust using AI agents.
— Andreas Kling (@awesomekling) February 23, 2026
~25k lines of safe Rust (20k if you exclude comments). No regressions on test262 or our own internal test suites.
Extensively tested against the live web by browsing in… https://t.co/qtq3qQe8qm
既存のウェブブラウザの多くはChromeで使われている「Blink」やFirefoxの「Gecko」などを基盤に開発されています。一方でLadybirdはBlinkでもGeckoでもない独自のエンジンを用いるウェブブラウザで、2022年頃から開発が始まりました。開発初期はアンドレアス・クリング氏の個人的なプロジェクトでしたが、2024年7月にはGitHub創設者のクリス・ワンストラス氏から100万ドル(約1億5600万円)もの資金を得て「The Ladybird Browser Initiative」を設立。その後も各所から資金提供を受けつつ順調に開発を進め、2025年10月にはAppleが定めた「WebKit以外の代替ブラウザエンジンに求める基準」をクリアしました。
AppleがiOS上で「代替ブラウザエンジン」として認められるために達成すべきと定めた基準をついに「Ladybird」がクリア - GIGAZINE

LadybirdのGitHubリポジトリを確認すると、プロジェクト全体の59.8%がC++で構築されていることが分かります。しかし、開発チームはC++に代わるメモリ安全性の高い言語への移行を模索してきたとのこと。Apple発のSwiftも候補に上がりましたが、「Appleエコシステム以外でのサポートが限定的である」という理由から却下され、FirefoxやChromiumで採用例のあるRustを採用することが決定しました。

最初の移植対象となったのはJavaScriptエンジンのLibJSでした。クリング氏はClaude CodeとCodexを用いてC++で書かれたコードをRustで書き直しました。この際、少ないプロンプトを入力してAIエージェントにすべての作業を任せたわけではなく、「何を移植するか」「どのような順序で移植するか」「最終的にどのようなコードになるか」をクリング氏が決定し、何百も小さなプロンプトを入力してAIエージェントを適切に動作するように誘導したとのこと。また、移植がいったん完了した後に複数のAIモデルを用いて「敵対的レビュー」を複数回実行し、間違ったコードや不適切なパターンを分析させたそうです。
移植作業は約2週間で完了し、C++で構築していたLibJSと同等の動作を実現することができました。この作業は、もし手作業で実施した場合は数カ月を要したと見積もられています。
移植結果の詳細は以下のリンク先で確認可能。今回の移植は互換性を重視して実施されており、Rustの流儀ではなくC++の流儀に沿ったコードとなっています。今後、「C++のパイプラインを廃止する」という作業に慣れるに連れて、コードが簡素化されるとのこと。
LibJS: Add Rust implementation of lexer, parser, AST, and bytecode generator by awesomekling · Pull Request #8104 · LadybirdBrowser/ladybird · GitHub
https://github.com/LadybirdBrowser/ladybird/pull/8104

なお、C++からRustへの移植作業は「長期的で副次的な作業」として位置付けられており、今後もブラウザエンジンの開発ではC++が使われます。移植作業の順序や対象は慎重に決定する必要があるため、貢献者にはRustへの移植作業を始める前にコアチームに連絡するように案内されています。
・関連記事
Googleから金銭を受け取らずブラウザエンジンも自前でゼロから開発するあらゆる束縛から解放された真のオープンウェブブラウザ「Ladybird」がGitHub創設者から1億6000万円超の資金を調達 - GIGAZINE
AppleがiOS上で「代替ブラウザエンジン」として認められるために達成すべきと定めた基準をついに「Ladybird」がクリア - GIGAZINE
BlinkでもWebKitでもない新開発ブラウザエンジン「Gosub」 - GIGAZINE
Mozillaの新CEOがこれからのFirefoxを語る、「最高のブラウザ」を最優先しつつAIの統合も - GIGAZINE
OpenAIのAI搭載ブラウザ「ChatGPT Atlas」が登場、完全統合されたAIがユーザーの行動を記憶し情報収集からサイト操作まで実行可能 - GIGAZINE
・関連コンテンツ
in ソフトウェア, Posted by log1o_hf
You can read the machine translated English article Ladybird, a potential Chrome alternative….






