速攻で病院に駆け込むべき頭痛を見分ける方法
多くの人が悩まされる頭痛は、症状が深刻化しないものも多いのですが、中には重大な健康被害を及ぼすものも存在します。オーストラリアにあるボンド大学の准教授であり医師であるナターシャ・イエーツ氏が、「今すぐ病院に駆け込むべき頭痛とそうでない頭痛の見分け方」を解説しています。
When should you go to hospital for a headache? A doctor explains how to tell if it's an emergency
https://theconversation.com/when-should-you-go-to-hospital-for-a-headache-a-doctor-explains-how-to-tell-if-its-an-emergency-161276
イエーツ氏が「ただちに病院に行くべき」としている症状は以下のもの。以下のリストのうち1つでも当てはまるものがあれば、感染症・出血・血栓・腫瘍などの可能性が考えられるとのこと。
・経験したことのない痛みを突然感じるとき
・運動や性行為で頭痛が悪化するとき
・頭痛が始まってから首の硬直を感じたとき
・市販の鎮痛薬でも下がらない高熱を伴うとき
・頭や首に外傷を負った後に頭痛があるとき
・性格や行動が変化したとき
・体の片側に脱力感やしびれを感じるとき
また、以下3つの状況についても、緊急性があるとイエーツ氏は述べています。
・妊娠中あるいは妊娠が判明したばかりの女性が経験する頭痛
・免疫不全を患う人の頭痛
・過去42日間に新型コロナウイルスワクチンを接種した人が経験する頭痛薬を飲んでも治らない頭痛
日本人は4人に1人が頭痛に悩まされているといいますが、多くの場合、頭痛は病院に行かなくとも対処可能です。しかし、痛みがひどい時には医師に相談することも1つの方法。頭痛は数多くの原因が考えられるので、医師から正確な診断を受けるためには「頭痛日記」などで頭痛の度合・頻度・発生時間帯などを記録することが重要です。イエーツ氏は、医師の診断に役立つ問診のリストを以下のように公開しており、来院する場合にはこれら質問への回答を用意することを推奨しています。
◆痛みを引き起こす原因ははっきりしていますか?
頭痛の原因として一般的なものに、脱水症・目や首の緊張・歯ぎしり・睡眠不足・カフェイン断ちなどがあります。また定期的に鎮痛剤を服用することも、「薬物乱用による頭痛」の原因になるとのこと。
◆頭のどこに痛みがありますか?
頭痛の35%は「緊張性頭痛」という、頭の両側をバンドできつく締め付けられるような痛みです。また4%の人が「群発頭痛」を経験しており、これは目の後ろから痛みが始まり、目の充血や鼻づまりを伴います。
◆頭痛に伴う他の症状はありますか?
片頭痛の前兆には、突然視野の中に稲妻のようなギザギザの光の波が現れる「閃輝性暗点」という症状が発生するケースが多くあります。また、おう吐や光に敏感になることの他、かすみ目症状が伴うことも。
◆頭痛にパターンはありますか?
片頭痛や緊張性頭痛といった特定の頭痛の中には、特定の食品・睡眠不足・特定の匂い・感情的なストレスといったトリガーがある場合が存在するので、このようなトリガーを突き止めて取り除くことで頭痛が解決することもあるとのこと。また月経周期の影響を受けるホルモン性頭痛というものもあるので、こうした頭痛とその原因の関係性を発見できれば頭痛を未然に防いだり早期に治したりできるとイエーツ氏は述べています。
なお、頭痛を抱える人のうち、「自分は片頭痛持ちだ」と考える人は多くいますが、実はこれが誤診断であるケースも多々あります。片頭痛はあまり理解されておらず、片頭痛の中には頭痛を伴わないケースもあるため、イエーツ氏は「自分は片頭痛持ちだ」と考える人に対して医師の診察を受け、適切に対処することを推奨しています。
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