未査読論文リポジトリのarXivがコーネル大学からの独立を宣言

未査読論文(プレプリント)を無料で公開するウェブサイトのarXivが、運営元のコーネル大学から独立して非営利団体に移行する方針を固めたことが分かりました。
Chief Executive Officer job with arXiv | 37961678
https://jobs.chronicle.com/job/37961678/chief-executive-officer/
ArXiv, the pioneering preprint server, declares independence from Cornell | Science | AAAS
https://www.science.org/content/article/arxiv-pioneering-preprint-server-declares-independence-cornell
arXivが非営利団体化するという情報は、arXivが掲載した求人広告から明らかになりました。
arXivによると、技術開発の加速、組織の柔軟性の向上、パートナーシップの拡大、そして長期的な財政的持続可能性を実現するため、これまで運営していたコーネル大学の元を離れ、独立した非営利団体として活動を開始するとのことです。

求人広告では最高経営責任者の職が募集されていて、「戦略計画、財務管理、技術インフラ、人事管理、ステークホルダーとの連携など、arXivのあらゆる側面を統括する職」と紹介されています。推定年間給与は30万ドル(約4800万円)とのこと。
arXivの年間予算は約600万ドル(約9億5700万円)で、大学や図書館、研究機関からの会費、専門学会、政府機関、非営利団体などの関連団体やパートナーからの寄付、arXivのサービスから恩恵を受けている組織や企業からの資金提供等で収入を得ています。
arXivを運営するコーネル大学の研究部門「コーネル・テック」のグレッグ・モリセット氏は、「非営利団体化することで、arXivはより幅広い寄付者から資金を集めやすくなり、急増するプレプリントを支える人員や技術への投資が可能になります」と伝えました。
また、AIが生成した低品質あるいは不正な投稿、いわゆる「AIスロップ」への対応といった課題にも対処しやすくなるといいます。SNS上では、将来的にarXivが商業化される可能性を懸念する研究者もいますが、モリセット氏は「少なくとも当面は大きな変化はなく、何も壊れていないものを維持することが目標」と強調しています。

arXivは近年成長が加速しており、AI関連論文の急増も影響して2022年以降は投稿数が50%増加。これにより財政的な負担がのしかかり、2025年には29万7000ドル(約4700万円)の赤字を計上したそうです。コーネル大学がこれを補填するなどして支えてきましたが、大学内の他の資金需要との競合や、「大学の影響力が強すぎるのではないか」という懸念もあり、独立が最適な選択と判断されたとのことです。
この方針は、サービス創設者であるポール・ギンスパーグ氏も以前から推奨していたものです。SNS上では「30万ドルの給与は高すぎる」と懸念を示す科学者が何人かいて、資金繰りの圧力によって最終的にプラットフォームが営利企業に買収されるのではないかと懸念する声もあります。ギンスパーグ氏は「そうした懸念は理解できる」としつつ、arXivは極めて低予算で運営されていて、長期的な持続可能性の実現が常に懸念事項だったと強調しました。
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in メモ, Posted by log1p_kr
You can read the machine translated English article arXiv, a repository of unpeer-reviewed p….







