ハードウェア

RISC-Vに新仕様が15個追加される、AI・機械学習・IoTアプリ関連の機能を強化


オープンソースライセンスで提供される命令セットアーキテクチャの「RISC-V」の標準化団体であるRISC-V Internationalが、新たにRISC-Vのベクトル仕様とハイパーバイザー仕様、スカラー暗号化機能について40個の拡張仕様を含む15個の新仕様を承認したと発表しました。今回承認された新仕様は、人工知能(AI)・機械学習・モノのインターネット(IoT)・自動運転車・データセンター向けのアプリケーション開発者に新たな可能性をもたらすと述べられています。

RISC-V International Ratifies 15 New Specifications, Opening Up New Possibilities for RISC-V Designs - RISC-V International
https://riscv.org/announcements/2021/12/riscv-ratifies-15-new-specifications/

RISC-Vのベクトル仕様は、音楽・音声・映像に関する機械学習推論のようなデータ量の多い処理の計算を高速化するために活用される機能。ベクトル仕様は民生用のIoT機器から産業用の機械学習アプリケーションまでさまざまなエッジ・コンピューティング・アプリケーションに用いられていますが、新たにRISC-V Internationalは最新の機械学習アルゴリズムを効率的に処理するアプローチを新たに承認。これについて、RISC-VベースのAIチップを開発するEsperanto Technologiesの創業者兼CEOのDave Ditzel氏は「RISC-Vに追加された新たなベクトル仕様は、ベクトル設計に対する考え自体を変えるでしょう」とコメントしています。

by Chiara Coetzee

ハイパーバイザー仕様は、スーパーバイザレベルのアーキテクチャを仮想化し、ハイパーバイザー上におけるゲストOSのホスティングを効率化するという機能で、RISC-Vにおける仮想マシンの実装にはハイパーバイザー仕様が必要です。新たに承認されたハイパーバイザー仕様はデータセンターやデスクトップ環境におけるRISC-Vの採用を促進し、仮想化機能を実現するための重要な要因になり得ると説明されています。

スカラー暗号化機能は省メモリにおける暗号ワークロードを高速化するもので、新たに承認された拡張仕様によって、標準的な暗号ハッシュやブロック暗号のアルゴリズムを実装可能となり、状況によっては標準的な命令とは桁違いのスピードを実現できる暗号化が可能になったとのこと。これによってIoTや組み込み機器における安全かつ効率的な高速暗号化が達成されて参入障壁が大幅に下がるそうで、RISC-V技術運営委員会のメンバーであるベン・マーシャル氏は「誰もが重要な暗号アルゴリズムをあらゆるクラスのCPUに効率的に実装することができます」「性能面でのメリットに加え、これらの新しい拡張仕様は非常に安価に実装できるため、企業は一般的な暗号アルゴリズムを最小のコネクテッドデバイスにも統合することができます」と説明しました。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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