中国が水深3500mで海底ケーブルを切断できる電気静油圧式アクチュエータのテストを実施

海底ケーブルはインターネットなどの通信データをやり取りするために海底へ敷設された光ファイバーの束であり、世界の通信網や安全保障にとって欠かせない存在です。新たに中国の探査船「海洋地質2号」が、水深数千mの海底ケーブルを切断できる電気静油圧式アクチュエータのテストを行ったことが報じられました。
China tests submarine cable cutter at 3,500-metre depth | South China Morning Post
https://www.scmp.com/news/china/science/article/3350174/china-tests-submarine-cable-cutter-3500-metre-depth
China tests deep-sea electro-hydrostatic actuator that can cut undersea cables at a depth of 3,500 meters — state hails successful trial and hints at deployment readiness | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/tech-industry/china-tests-deep-sea-electro-hydrostatic-actuator-that-can-cut-undersea-cables-at-a-depth-of-3-500-meters-state-hails-successful-trial-and-hints-at-deployment-readiness
香港の英字紙であるサウス・チャイナ・モーニング・ポストは2026年4月15日、中国の探査船「海洋地質2号」による2026年最初の深海科学調査が4月11日に完了したと報じました。調査では、深海の海底ケーブル切断にも利用できるとされる電気静油圧式アクチュエータのテストが行われ、水深3500mでの切断テストに成功したとのことです。
電気静油圧式アクチュエータは油圧・電動モーター・制御ユニットを一体化した装置であり、長くて扱いにくい外部オイル配管が不要です。今回のテストで用いられたアクチュエータは、深海の圧力および腐食への耐性が強化され、より精密な機械的作業が可能になったとされています。
中国科学院などが共同作成する新聞の中国科学報は、「今回の海洋試験は深海機器の開発から実用化までの『ラストマイル』を突破しました」と報じ、海底ケーブル切断に使用できる電気静油圧式アクチュエータの実用化に向けた準備が進んでいることを示唆しました。
「海底ケーブルを切断できる」と聞くと危険なものに思えるかもしれませんが、自然災害や船舶の過失などで海底ケーブルが切断された際の復旧作業では、破損した海底ケーブルを切断して予備のケーブルと接続する必要があります。深海の海底ケーブルを切断できるアクチュエータは、こうした復旧作業などに役立つ可能性があります。
しかし、近年の海底ケーブルを巡る世界的な動きを考慮すると、高性能なアクチュエータが悪用される懸念もあります。2023~2024年にはバルト海で3件の海底ケーブル切断事件が立て続けに発生したほか、台湾近海では海底ケーブルの切断事案が2023年までの5年間で27回も発生しています。
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経済紙のウォール・ストリート・ジャーナルは2026年4月の記事で、国家による意図的な海底ケーブル切断が行われた事例はないものの、一部の切断事例は意図的なものだった可能性があると指摘。各国は海底ケーブルを保護するためのパトロールを実施したり、ケーブル事業者は中国とフィリピンが領有を争う南シナ海などの係争海域を避けるルートを検討していると報じました。
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in メモ, Posted by log1h_ik
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