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台湾では海底ケーブルの切断事案が5年で27回発生している


2023年2月、台湾の本島と馬祖島を結ぶ海底ケーブルが1カ月の間に2本も切れる事案が発生しました。1回目は中国籍の漁船が、2回目は中国籍の貨物船が、それぞれ海域を通過した際に発生したものとみられています。こうした事案は、この5年で27回も発生しているそうです。

Taiwan suspects Chinese ships cut islands’ internet cables | AP News
https://apnews.com/article/matsu-taiwan-internet-cables-cut-china-65f10f5f73a346fa788436366d7a7c70


台湾と馬祖島を結ぶ海底ケーブルが切断されたのは2023年2月2日のこと。沿岸警備隊によると、ケーブルの切断は中国籍の漁船によるもので、船はそのまま中国領の海域に入ってしまったとのこと。また、2023年2月8日には近くの別のケーブルが中国籍の貨物船によって切断されました。

台湾 通信用海底ケーブル 1週間に2本切れる 中国船が切断か | NHK | 台湾
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230217/k10013983641000.html


同様の事例は2022年に4件、2021年に5件あり、ここ5年の合計は27件だとのこと。

直近のケーブル切断について、台湾政府は「意図的なもの」とは表現していませんが、一部の専門家からは「中国による意図的な破壊工作である可能性は否定できない」という見方が示されています。

光ファイバーケーブルは、芯がガラスやプラスチックで作られています。一般家庭やオフィスなどで配線されている光ファイバーの場合、保護被膜はシリコンなどで作られていて、強く曲げると芯が折れてしまうことがあります。


海底ケーブルの場合、光ファイバーの周辺に金属片などを巻き付けていて、日本とシンガポールを結ぶ海底ケーブル敷設プロジェクト・SJCで使用されるケーブルだと「10トンの力で引っ張られてもちぎれることはない」というほど頑丈に作られています。


そんなケーブルでも、いかりや、漁船が用いる鋼製の網が引っかかると簡単に切れてしまうことがあるそうですが、アジア太平洋ネットワーク情報センター主任科学者のジェフ・ヒューストン氏がAP通信に語ったところによると、台湾海峡の浅い部分であってもこうした破損事例は珍しいとのこと。

2本のケーブルの修復は、早くても次にケーブル敷設船が出せる2023年4月20日になるため、それまで馬祖島ではバックアップとして用意されているマイクロ波通信が用いられます。住民によると、通信速度は光ファイバーよりも著しく遅いとのことです。

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in メモ, Posted by logc_nt

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