サイエンス

新たな「ウソ発見システム」が開発される、顔の筋肉のわずかな動きを検知して高精度でウソを看破

by Martin Gervasoni Molina

顔に貼り付けた電極によって顔の筋肉の電気的活動からウソを見抜くというシステムをイスラエルの研究チームが開発しました。研究はごく初期の段階ですが、この種の技術としては最高クラスの精度を達成したと報告されています。

Lie to my face: An electromyography approach to the study of deceptive behavior - Shuster - - Brain and Behavior - Wiley Online Library
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/brb3.2386

New technology exposes 'liars' through tellta | EurekAlert!
https://www.eurekalert.org/news-releases/935222

New Lie Detector Can Read Facial Muscles You Don't Even Know You're Using
https://www.sciencealert.com/new-lie-detector-can-read-facial-muscles-you-re-probably-not-aware-of

新たにテルアヒブ大学のDino J. Levy教授率いる研究チームが開発したウソ発見システムは、研究に参加したYael Hanein教授が開発した筋肉や神経の活動を監視・測定する電極入りステッカーを用いるもの。この電極入りステッカーはヘルスケア企業のX-trodes Ltd.によって「睡眠監視デバイス」として製品化されていますが、今回Levy教授はこのデバイスをウソ発見器として用いることにしました。

Advanced Home Sleep Monitoring Device | X-trodes
https://xtrodes.com/health/


研究チームは被験者48人に対して、問題の電極入りステッカーを唇に近い頬の筋肉と眉毛の上部の筋肉の2箇所に貼り付けてウソをついてもらうという実験を実施。被験者は「ウソをつく役」「ウソを見抜く役」の2人1組のペアになり、ウソをつく役は「線」「木」を意味する2つの単語を使ってイヤホンで指示を受けながらウソをついたりつかなかったりしました。ウソをつかない場合は指示通りに発声しますが、ウソをつく場合は「線」という指示がきたら「木」と発言し、「木」という指示が来たら「線」と発言します。


実験の結果、ウソを見抜く役はウソを見抜けないことがわかりましたが、電極入りステッカーから計測された筋肉の活動から真偽を判定したところ、最大73%というこの種の技術としては最高クラスの精度でウソを見抜くことに成功しました。

今回の実験では各被験者に「ウソをつく際のクセ」があることも判明しており、頬の筋肉が活性化した被験者と眉毛の筋肉が活性化した被験者に分かれているということや、ウソを見抜く役がウソを全く見抜けないような「ウソが上手な被験者」については今回のシステムでも見抜くことができないことがわかったそうです。

Levy教授は今回の実験を初期段階と位置づけており、「今回は最初の研究ということで、ウソ自体は非常に単純なものでした」「ウソの兆候はたくさんあり、私たちはそのうち2つを発見しただけです」とコメント。今後の展望について、「将来的には外見から顔の筋肉の動きを判定してウソを識別するビデオソフトウェアを開発し、電極を不要にできるよう目指しています」と語りました。

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log

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