デザイン

レゴをCTスキャンで透視、中は一体どうなっているのか?


プラスチック製の組み立てブロック「レゴ」は80年以上の歴史を有する世界中で広く愛される玩具です。そんなレゴをコンピュータ断層撮影(CTスキャン)で見ると、形状や材料に細緻な工夫がさまざま凝らされていることがわかります。

Scan of the Month
https://www.scanofthemonth.com/

今回CTスキャンされたのは、レゴシティシリーズ「消防危険物取扱車」に含まれる男性消防士と、エイリアン・コンクエストシリーズの「地球防衛本部」に含まれるエイリアンの2種。消防士が以下。


かぎ爪のような形状の手は厚さ1mmですが、腕自体の太さは厚さ2mm。腕の内側は直径0.6mmの空洞となっています。


外側はツルッとした形状ですが、胴体内部は金型から成形品を抜き出しやすくする抜き勾配(ドラフト)が隠されています。


CTスキャンは内部の構造を見透かすだけでなく、物質の材質に関する情報も得られます。消防士の反射板付き防火ベストをCTスキャンで見ると、体とは別の層として表示されるため厚みがあるということや、ベストに生じる色の変化から場所ごとに異なる塗装剤が使われていることがわかります。


続いては上から見たアングル。首の中心には穴が開いており、射出成形時に樹脂を流し込む入り口となった「ゲート」が取り付けられていた名残があります。今回の消防士では、首の中心部に「LEGO」というロゴが刻まれており、LとOの文字はゲートによって破断していません。


胴体は一貫性のある形状ですが、脚部は位置に応じて形状が大きく異なっており、圧力に強い設計になっています。


次はエイリアンをCTスキャンで見ていきます。


エイリアンの特徴は折れ曲がった杖を持っていること。この杖は腕同様に中が空洞になっており、杖自体が円形なので折り曲げた際には内側ではなく表面側に応力が集中します。


脚部には「R」「L」の識別符が刻まれています。これらの識別符は高さわずか0.2mmですが、CTスキャンならばハッキリと視認可能。光学文字認識(OCR)などを採用した自動化技術は、こうした識別子によって各製品を分類・追跡しています。


横から見た断面が以下。胴部と脚部の接合部は0.05mm以下のズレしかありません。


ズレの小ささからかなりの精度で成形されていることがわかりますが、設計は寸法精度に頼っていません。エイリアンの腕の場合、250mmもの「リブ」と呼ばれる補強部が組み込まれており、腕を回転させられると同時にソケットからすっぽ抜けないように工夫が凝らされているとのことです。

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in デザイン, Posted by darkhorse_log

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