空中でどんな風に落としてもネコが必ず足から着地する秘密は脊椎のねじれにある

なぜネコは落下時に必ず足で着地することができるのかについて、「背骨の柔軟性」に着目した新しい実験結果が発表されました。
Torsional flexibility of the thoracic spine is superior to that of the lumbar spine in cats: Implications for the falling cat problem - Higurashi - The Anatomical Record - Wiley Online Library
https://anatomypubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ar.70165
New falling cat paper just dropped! | Skulls in the Stars
https://skullsinthestars.com/2026/03/07/new-falling-cat-paper-just-dropped/
Flexible feline spines shed light on "falling cat" problem - Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2026/03/tuck-and-turn-or-bend-and-twist-how-falling-cats-land-on-their-feet/
「落下するネコはなぜ足で着地することができるのか?」については、少なくとも1700年頃から長らく議論されてきました。これについては4つの異なる仮説が提唱されています。
ひとつはネコが片方の前足を引っ込めて体の異なる部分を回転させるという、「タック&ターン」モデルです。2つ目は19世紀の物理学者であるジェームズ・クラーク・マクスウェル氏が提唱した、「転倒するフィギュアスケーター」と呼ばれる仮説で、これは「ネコは必要に応じて前足を引っ込めたり伸ばしたりすることで角運動量を調整する」というものです。3つ目は、ネコは腰を曲げて体の2つの部分を逆方向に回転させるという「ベンド&ツイスト」という説。そして4つ目は、ネコはプロペラのように尻尾を一方向に回転させることで体の回転方向を逆転させることができるという「プロペラテール」です。
「落下するネコはなぜ足で着地することができるのか?」について、ノースカロライナ大学シャーロット校の物理学者であるグレッグ・グバー氏は、「さまざまな動きが影響しているものの、最も重要なのは体を曲げてひねる動きだと考えている」とコメントしていました。

解剖学・生物形態学などの査読付き学術誌であるThe Anatomical Recordに掲載された最新の論文では、山口大学の共同獣医学部の助教である日暮泰男氏が、ネコの背骨の柔軟性に着目した新しい実験結果を公表しています。
研究チームは寄贈された5匹のネコの死体から脊椎を取り出し、靭帯と椎間板を保存した上で、胸椎と腰椎を分離。次に、分離した脊椎をねじり装置に入れ、ねじるのに必要な力と、ねじれの限界を調べました。さらに、2匹のネコを8回空中から落下させ、ハイスピードカメラで撮影しています。
落下時のネコを撮影した写真

撮影した写真から、ネコは下半身よりも上半身の方がよりねじることが可能であることが明らかになりました。ねじり角度が約50度のところに一種のスイートスポットがあり、そこではねじり動作に対する抵抗がほとんどなかったそうです。脊椎の下部にはそのスイートスポットは存在しない模様。
この結果について、グバー氏は「脊椎上部の柔軟性は、ネコがまず頭を正しい向きにするために回転するという認識を強く裏付けており、その生物学的構造がこれをできるだけ容易にするように調整されていることを示しています」と記しています。また、ハイスピードカメラで撮影した写真(3)は、前足は折りたたんだ状態で後ろ足の1本がピンと伸びており、これはまさに「タック&ターン」の典型的な状態です。

落下中の写真を撮影したところ、被験体となったネコは2匹とも明らかに右に曲がろうとしたそうです。1匹は8回中8回右に曲がろうとして、もう1匹も8回中6回右に曲がろうとしており、グバー氏は「ネコは明らかにどちらの方向にも曲がることができるにもかかわらず、右に曲がろうとする傾向があるようです」「現時点での私の推測では、内臓の非対称な配置が、片方の方向に行くのをもう片方よりもわずかに容易にしているのではないかと考えています」と推測しています。
なお、グバー氏は最新の論文で撮影されている写真はすべて単一角度から撮影されているため、落下するネコの動きを分析するには難しく、議論は今後も続くだろうと指摘しています。また、グバー氏は「将来的には、3Dモデルに変換できるような、複数の角度から撮影した写真が出てくると素晴らしいでしょう。そうすれば、ネコがどのように体をひねるのかについて、さらに多くのことが分かるかもしれません」と語りました。
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in サイエンス, 生き物, Posted by logu_ii
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