2021年10月29日 06時00分ハードウェア

1000円台でRaspberry Pi Zeroの5倍の性能を持つ「Raspberry Pi Zero 2 W」が登場

安価なシングルボードコンピューター「Raspberry Pi」シリーズのラインナップに15ドル(約1700円)の「Raspberry Pi Zero 2 W」が追加されました。2015年に登場した「Raspberry Pi Zero」と比べて5倍高速に動作するプロセッサを搭載しているとのことです。

Raspberry Pi Zero 2 W – Raspberry Pi
https://www.raspberrypi.com/products/raspberry-pi-zero-2-w/

New product: Raspberry Pi Zero 2 W on sale now at $15 - Raspberry Pi
https://www.raspberrypi.com/news/new-raspberry-pi-zero-2-w-2/

Raspberry Pi財団創設者であり開発者でもあるエベン・アプタン氏によると、2015年に5ドル(約570円)という安さで登場したRaspberry Pi Zeroは6年間で約400万台出荷され、2017年に登場したRaspberry Pi Zeroの無線機能追加モデル「Raspberry Pi Zero W」は自作スマートスピーカーや自作人工呼吸器など多くの用途に用いられているとのこと。アプタン氏は「私たちの他の製品の処理能力が向上している中、Raspberry Pi Zeroシリーズの処理能力は向上していませんでした。今日までは」と述べ、新登場のRaspberry Pi Zero 2 Wに処理能力の高いプロセッサが搭載されていることをアピールしています。

Raspberry Pi Zero 2 Wには、「Raspberry Pi 3」が登場初期に搭載していたSoC「Broadcom BCM2710A1」が搭載されており、Raspberry Pi Zeroの5倍の性能を持つとされています。その他の詳細なスペックは以下の通り。

CPU	1GHz quad-core 64-bit Arm Cortex-A53
メインメモリ	512MB SDRAM
無線LAN	2.4GHz 802.11 b/g/n
Bluetooth	4.2, Bluetooth Low Energy
搭載ポート	Mini HDMI、micro USB、microSDカードスロット
再生支援	H.264, MPEG-4 decode (1080p30); H.264 encode (1080p30)
その他	CSI-2 camera connector搭載
寸法	長辺65mm×短辺30mm

一般的に、プロセッサー処理速度が向上すると発熱も激しくなります。しかし、Raspberry Pi Zero 2 Wは厚い銅箔(どうはく)層が含まれる基板を採用しており、効率的な排熱が可能とのこと。また、無線モジュールは金属製のシールドに保護されており、電波干渉を受けづらくなっています。

Raspberry Pi Zero 2 Wは、すでに製品ページが公開されており、アメリカ・EU・イギリス・カナダ・香港への出荷が始まっています。さらに2021年11月にはオーストラリアとニュージーランドへの出荷が始まる予定。他の地域にも認証プロセスが完了次第出荷を開始する予定とのことです。

なお、2021年10月には世界的な半導体不足の影響を受けてRaspberry Pi 4の値上げが発表されていましたが、アプタン氏は「Raspberry Pi Zero 2 Wは半導体不足の影響を受けません。2021年中に20万台を出荷し、2022年前半に25万台を出荷する予定です」と述べています。また、Raspberry Pi Zero 2 Wの登場後も、Raspberry Pi ZeroやRaspberry Pi Zero Wとの併売を続けることを明言しています。

Raspberry Pi 4が半導体不足の影響で値上げへ、消えた1GBモデルも復活 - GIGAZINE