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Google入魂のSoC「Tensor」の実力をPixel 6&Pixel 6 Pro実機のベンチマーク測定で徹底検証、「消しゴムマジック」や指紋認証の使い勝手もチェック


GoogleのPixelシリーズ最新機種の「Pixel 6」と「Pixel 6 Pro」が2021年10月28日(木)に登場しています。これまでに外観のチェックPixel 5との比較をしたので、続いて複数のベンチマークソフトを使ってPixel 6シリーズの実力や、写真修正機能「消しゴムマジック」やディスプレイの下に内蔵された指紋認証システムの使い勝手をチェックしてみました。

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この記事では、Pixel 6とPixel 6 Proのベンチマーク測定を行っていきます。Pixel 6やPixel 6 Proの外観やアクセサリーのチェックや、1つ前の世代のPixel 5との比較は、以下の記事から見ることが可能です。

「Pixel 6」「Pixel 6 Pro」開封の儀&フォトレビュー - GIGAZINE


「Google Pixel 6はPixel 5からアップグレードすべき機種か?」を検証してみた - GIGAZINE


・目次
◆Geekbench
◆3DMark
◆PCMark for Android Benchmark
◆消しゴムマジック
◆ディスプレイ指紋認証

◆Geekbench
前回の記事でチェックしたとおり、Pixel 6とPixel 6 ProのCPU性能をGeekbench 5で測定した結果は、シングルコアとマルチコアのスコアがPixel 6は「1041」と「2833」、Pixel 6 Proは「1027」と「2808」でした。誤差レベルではあるものの、Pixel 6の方がPixel 6 Proより若干高いスコアです。


Pixel 6が出したシングルコアの記録は、SamsungのGalaxy S21を上回ってトップクラスの成績でした。


マルチコアの結果となると少し順位が落ちて、Galaxy S20 FEGalaxy Note20 Ultraの間となります。


Googleによると、Pixel 6とPixel 6 Proに搭載されている独自開発のSoC「Tensor」は、AIや機械学習の分野に強みを持つとのこと。そこで、Geekbench 5だけでなく「Geekbench ML」も使ってみました。

その結果、Pixel 6は「308」、Pixel 6 Proは「339」でした。


Geekbenchの公式サイトに掲載されているランキングは、上位陣がAppleデバイスに占領されており、最上位は第4世代iPad Airの「866」でした。そんな中、Pixel 6の「308」というスコアはOnePlus 7TとGalaxy Note10の間で、Pixel 6 Proの「339」はiPhone 7とGalaxy Note20 Ultraの間というポジション。残念ながら、TensorのCPU性能はそれほど高くはないようです。


◆3DMark
次に、ゲームなどをする上で重要なGPUの性能を調べるべく、UL Benchmarks製のベンチマークアプリ・3DMarkの「Wild Life」でベンチマークを測定してみました。なお、「Wild Life」はさまざまなOSでの比較テストを念頭に置いたグラフィックスAPIである「Vulkan」を使用するベンチマークです。

その結果が以下。Pixel 6のテスト結果は「6450」でした。このスコアは、Galaxy S21 Ultraを抑えてAndroidではトップクラス。


iPhone 12 Proにも肉薄する成績です。


全体の中でも、上位10%に食い込む結果となりました。


一方、Pixel 6 ProはPixel 6より少し低い「5699」でした。


それでも、全体の87%のスコアを上回る健闘ぶりです。


◆PCMark for Android Benchmark
続いて、同じくUL Benchmarks製のPCMark for Android Benchmarkでテストを行ってみます。PCMark for Android Benchmarkは、CPU性能のテストに特化したGeekbenchやゲーミング適性を調べる3DMarkとは異なり、ブラウジングや写真の編集など日常的なタスクでのパフォーマンスを調べることが可能なベンチマークアプリです。

PCMark for Android Benchmarkで測定したPixel 6のスコアは「10479」でした。


これは、UL Benchmarksの公式サイトに掲載されているランキングで、記事作成時点でのトップであるiPhone 13 Proの「9662」を大きく上回る最上位です。


クロック数のグラフを見てみると、各種のベンチマークが始まる瞬間だけ2GHzに達することがあるものの、それ以外はピーク時の半分程度で推移しています。


温度のグラフが平坦なことから、ほとんど発熱せずにベンチマークテストをこなしたことが分かります。


Pixel 6 ProのスコアはPixel 6をさらに上回る「11490」でした。


3種類のベンチマークを行った結果、Pixel 6とPixel 6 ProはCPU性能が低い一方でGPU性能は高く、日常的なタスクの処理能力はトップクラスだということが分かりました。このことから、Pixel 6シリーズは普段使いでの実用性を重視するユーザーから、高度なグラフィック性能を要求するゲームをプレイするゲーマーまで、幅広いユーザーのニーズに応えることが可能なスマートフォンだと言えます。

◆消しゴムマジック
Pixel 6とPixel 6 Proには、写真から不要なものを消す「消しゴムマジック」機能があります。使用するには、まずカメラアプリで写真を撮影してから赤枠の部分をタップします。


続いて、「編集」をタップ。


次に、「ツール」にある「消しゴムマジック」を選択すれば使えます。


試しに、iCEOの人形の隣にあるフィギュアをなぞってみます。


すると、フィギュアがあっさり消えてしまいました。


比較してみると、何かがあったような痕跡がうっすらと見えますが、よく注意しなければ分からないレベルです。


次は、ドロイドくん人形を囲むようになぞって指定してみます。


同様に、ドロイドくん人形も消去できました。


最後に、iCEOも指定してみましたが……


さすがに完全には消せず、不気味な影が残りました。「消しゴムマジック(消しゴムマジック)」は、ちょうどAdobe Photoshopの「修復ブラシツール」のような感覚でちょっとしたものを消すことが可能ですが、大きすぎるものは消せないようです。


保存するには、「コピーを保存」をタップします。


編集後と編集前の両方が保存されるので、後でやり直すこともできます。


◆ディスプレイ指紋認証
Pixel 6とPixel 6 Proには、ディスプレイの下にセンサーを内蔵した「ディスプレイ指紋認証」が採用されています。使うにはまず、設定を開いてから「セキュリティ」をタップします。


次に、「指紋認証によるロック解除」をタップします。


予備のロック方式をタップします。今回は、PINを使う方法を選択しました。


PINを入力して「次へ」をタップ。


再入力して「確認」をタップします。


ロック画面に表示するものを選んで「完了」をタップ。これでPINの設定は終了です。


続いて、指紋の登録をします。「同意する」をタップ。


「開始」をタップします。


画面の指示に従い、指紋のマークがある部分に何回か指を押しつけて指紋を登録します。


この画面になれば、指紋の登録は完了です。


以下の動画を再生すると、実際に指紋認証で何回かロックを解除してディスプレイ指紋認証の使い勝手を確認している様子を見ることができます。

Pixel 6のディスプレイ指紋認証の精度をチェックしてみた - YouTube


ロック画面に親指を乗せると……


ロックが解除されてホーム画面に移行しました。


しかし、指を乗せる時間が短いと「もう少し長く押してください」と表示されてうまく解除できないことも。だいたい1秒程度画面を指で押し続ける必要があります。


比較のために、Pixel 5の背面にある指紋センサーでロックを解除してみます。


指紋センサーに触れたのは一瞬だけでしたが、高い精度でロックを解除できました。


時間にするとごく短い差ですが、画面に指を乗せて一拍待たないとロックを解除できないPixel 6の指紋認証システムは、率直に言ってかなり遅いと感じます。また、Pixel 5は画面がついていなくても指紋センサーに指を乗せるだけで認証が始まるのに対して、Pixel 6では画面がついて指紋認証の受付が始まるまで待たなければならないのもマイナス。Pixel 6本体を動かすと、持ち上げられたのを認識してディスプレイが点灯しますが、机の上に置いたPixel 6の画面に触ってロックを解除するといった使い方はできません。スマートフォンのロック解除は1日に何回も行う動作なので、今後のアップデートなどで解決するのに期待したいところです。


続く記事では、Googleが「Pixel史上最も先進的なカメラ」と自負するPixel 6とPixel 6 Proのカメラで写真を撮ったり、バッテリーの寿命を計測したりする予定です。

・つづき
Googleが「Pixel史上最も先進的」と自負するPixel 6 Proのカメラを使い倒してみたレビュー - GIGAZINE

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in レビュー,   モバイル,   ハードウェア,   動画, Posted by log1l_ks

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