マネーロンダリングのしやすさなどを国ごとに指標化した金融秘密度指数ランキングが発表
ケイマン諸島やシンガポールといった地域は、富裕層や法人への課税がないか非常に軽いタックスヘイブンとして知られています。タックスヘイブンや租税競争などを研究するTax Justice Networkが、各国の法律・金融システムがどれほど租税回避やマネー・ロンダリングを行いやすいかを指標化した金融秘密度指数(FSI)の2020年版を作成し、公開しました。
Introduction
https://fsi.taxjustice.net/en/
これが、Tax Justice Networkが作成した、租税回避やマネー・ロンダリングを行いやすい地域のマップです。
対象となった国は133カ国で、トップ10は以下の通り。1位がケイマン諸島、2位がアメリカ、3位がスイス、4位以降には香港、シンガポール、ルクセンブルクと続き、日本は7位にランクインしています。
指標は以下のように20項目ごとに分かれて評価されています。以下は日本の詳細なスコアで、「銀行の秘密」が27ポイント、「信託財産と財団の登録」が38ポイント、「会社の名義の登記」「その他の資産の登記」「リミテッド・パートナーシップの透明性」「公開会社の登記」「公開会社の会計」「国別報告事項」「法人税の開示」「取引主体識別子(LEI)」が100ポイント、「租税管理能力」が63ポイント、「個人所得税」が38ポイント、「脱税の防止」が30ポイント、「有害な構造(無記名株式の禁止や高額紙幣の禁止など)」が50ポイント、「租税裁判所の秘密度」が100ポイント、「政府統計」が30ポイント、「マネーロンダリング防止対策」が55ポイント、「AEOI(非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度)」が1ポイント、「租税条約等に基づく情報交換」が行われているかどうかのチェックがOK、「国際法務協力」が27ポイントです。
Tax Justice Networkは「国境を越えた資金の流動量は年間1兆ドル(約113兆円)~1.6兆ドル(約180兆円)とされています。金融秘密度が高い世界は市場と投資を腐敗させ、詐欺や脱税、マネーロンダリングなどの温床となっています」と述べました。
また、「タックスヘイブンを取り締まるための国際的な取り組みが長年にわたって効果がなかったことも示されています。しかし、私たちの分析では、世界的な金融危機や世間での不平等に関する懸念の高まりにより、歴史上例のないほどにタックスヘイブンに目を向ける流れが生み出されていることも分かっています」「これらの問題に根本的に取り組むことが大切です」と述べました。
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in Posted by log1p_kr
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