夜勤などのシフト勤務は脳の体積低下と関連しているという研究結果

夜勤や早朝勤務を含むシフト勤務(交代勤務)は睡眠の乱れや疲労につながりやすい働き方です。シフト勤務が脳にどのような影響を与えるのかを調べるために、デューク・シンガポール国立大学の神経科学者であるトーマス・ウェルトン氏らの研究チームが1万4000人超のMRIデータを分析しました。
Shift work is associated with selective brain volume loss: a longitudinal study - ScienceDirect
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1053811925006226
Thousands of Brain Scans Reveal A Worrying Consequence of Night Shifts : Science Alert
https://www.sciencealert.com/thousands-of-brain-scans-reveal-a-worrying-consequence-of-night-shifts

夜を通して働く看護師や医師、救急対応者のように通常とは異なる時間帯に働く人は数多くいます。シフト勤務は睡眠の乱れ・認知機能の低下・代謝疾患・神経変性疾患リスクと関連することが報告されていますが、脳構造との関係は十分に分かっていませんでした。
そこでウェルトン氏らの研究チームは、イギリスの大規模生体データベースであるUK Biobankのデータを使い、深刻な健康問題がない成人労働者1万4198人を分析しました。分析対象のうちシフト勤務ではない人は1万2076人、シフト勤務者は2122人で、参加者の年齢中央値は47歳でした。研究チームは参加者の健康・睡眠・認知・雇用に関する自己申告データと脳MRIを使い、脳の体積や神経線維の状態など脳構造に関する153項目を比較しました。
分析の結果、シフト勤務者では右視床と左扁桃体の体積が小さい傾向がありました。視床は脳内の情報を中継する部位で、睡眠と覚醒の調節や記憶の想起にも関係します。扁桃体は恐怖や不安などの感情の反応を調整する部位です。
研究チームは、健康なシフト勤務者に見られた視床と扁桃体の選択的な体積低下について、体内時計の乱れによって脳の一部が影響を受けやすくなっている初期のサインかもしれないと述べています。これらの領域は睡眠と覚醒の調節・感情・注意に関わっており、シフト勤務に関連する疲労や気分の乱れとも関係する働きです。以下の画像では体積低下が見られた領域が黄色で示されており、黄色が濃い部分ほどシフト勤務者で体積が小さい傾向が強いことを表しています。

ただし、サイエンス系メディアのScience Alertは「脳の一部で体積低下が見られたからといってその部位が必ず死んでいるわけではない」と指摘し、脳は状況に応じて神経回路を組み替える柔軟な器官であり、シフト勤務者の脳では夜通し働くために何らかの補償が起きている可能性があると説明しています。同様に、研究チームも「脳の変化が起きない人はシフト勤務に耐えられず、結果としてシフト勤務ではない職種に偏っていく可能性がある」と述べています。
また、シフト勤務をやめた人を追跡して分析した結果、シフト勤務に関連する脳の体積低下が2.4年以内に止まったと研究チームは報告。ウェルトン氏らはこの結果について「シフト勤務に関連する脳構造の変化は固定されたものではなく、予防や回復の対象になりうることを示している」と述べ、シフト勤務者の脳体積低下を抑えるためにモニタリングやカウンセリング、勤務スケジュールの調整といった対策を検討できると説明しています。
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in サイエンス, Posted by log1b_ok
You can read the machine translated English article A study suggests that shift work, such a….







