半導体不足に対してアメリカが求める透明性向上のための情報提供要請にTSMCが「機密情報を明かすつもりはない」と表明
by Ernest Chiang
アメリカ商務省が世界的な半導体不足に関する透明性向上を目的として、半導体メーカーなどを対象に情報提供を求めていた件で、台湾の大手メーカー・TSMCが「機密情報を明かすつもりはない」という姿勢を表明しました。
Taiwan's TSMC, after U.S. request, says it won't leak sensitive info | Reuters
https://www.reuters.com/technology/taiwans-tsmc-after-us-request-says-it-wont-leak-sensitive-info-2021-10-07/
台湾TSMC、企業機密は漏らさずと表明 米の情報提供要請巡り | Reuters
https://jp.reuters.com/article/taiwan-usa-tsmc-idJPKBN2GX13T
Chipmakers resist US bid for client data - Taipei Times
https://www.taipeitimes.com/News/biz/archives/2021/10/08/2003765704
2021年9月23日にアメリカ商務省は状況の透明化をはかるため、半導体メーカーや自動車メーカーに対して、直近3年間の売り上げや材料と在庫の現況、顧客情報などの情報提出を求めました。ジーナ・ライモンド商務長官は「45日以内の自発的な情報提供に応じなかった場合、データ提供を求める他の手段がある」と述べています。
すでにこの件に対しては韓国のトップメーカーであるSamsungとSKハイニックスが懸念を示しており、9月末には台湾政府が「アメリカの商法や規則は尊重するものの、『不当な要求』があった場合、台湾企業を支援する」と表明していました。
今回、TSMCの法務担当であるシルビア・ファング氏は、商務省から求められたアンケートの内容を評価する過程にあることを明らかにしつつ、「当社の機密情報、特に顧客に関連する情報を漏らすことは絶対にありません」「顧客の信頼は、当社の成功の重要な要素の1つです」というコメントを発表しました。
なお、世界的な半導体不足は、2021年8月には注文から納品の期間が20週間になるなど、厳しい状況が続いています。
半導体不足は悪化の一途をたどるか、リードタイムがついに20週間を超える - GIGAZINE
この厳しい状況は、単なるチップ不足ではなく、そもそもの土台となっているパッケージ基板の不足であるという指摘がなされています。
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