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見た目は前モデルとほぼ同じの「GoPro HERO10 Black」は果たして何が進化したのか?GoPro HERO9 Blackと比較してみた


アクションカメラのGoProシリーズから、「GoPro HERO10 Black」が2021年9月17日(金)に登場しました。前モデルのGoPro HERO9 Blackとほぼ変わらない見た目であるGoPro HERO10 Blackの中身はどう変わったのか、GoPro HERO10 BlackとGoPro HERO9 Blackを比較しながら実際に使ってみました。

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GoPro HERO10 Black本体の外観は、以下の記事を読むとよくわかります。

5.3K映像が撮影可能でプロセッサも進化したアクションカメラ「GoPro HERO10 Black」フォトレビュー - GIGAZINE


◆GoPro HERO10 Blackで5.3K・60fps動画を撮影してみた
前モデルのGoPro HERO9 Blackでは最高5K解像度で撮影可能だったのが、GoPro HERO10 Blackは最高5.3K解像度(5312×2988ピクセル)で映像が撮影できるようになりました。以下のムービーが、実際にGoPro HERO10で撮影した5.3K・60psの映像です。設定はレンズが「リニア」、デジタル手ブレ補正のHyperSmoothは「ブースト」、カラーは「フラット」、EV値は0、ISOは自動で最小100・最大1600となっています。

GoPro HERO10 Blackで5.3K解像度・60FPSの映像を撮影してみた - YouTube


実際に動画を撮影すると、さすがに5.3K映像はスマートフォンなどで撮影できる4K映像よりも細かいところまでしっかりと映っている印象があります。ただし、上記のムービーのように、5.3K映像をYouTubeへアップロードすると、YouTubeの仕様で最大5Kで公開されます。そのため、撮影した映像を公開するところまで含めると、記事作成時点ではGoPro HERO10 Blackの5.3K解像度の恩恵を受けられない可能性もあります。

解像度を5.3Kに設定して写真モードで撮影した風景が以下の画像。カラーは「鮮明」で、撮影設定は自動ですがデータを見ると「ISO感度は125、絞り値はf/2.5、シャッタースピードは958分の1秒」となっています。なお、元画像の解像度が5568×4176ピクセル、ファイルサイズが10MBと巨大なので、EXIF情報を削った上でlancozで25%に、画質を95%にしています。


◆GoPro HERO10 Blackと前モデルのGoPro HERO9 Blackを比較
GoPro HERO10 Blackを最初に手に取った時の感想は「前モデルのGoPro HERO9 Blackとほとんど変わらないのでは?」というものでした。そこで、実際にGoPro HERO9 Blackと並べて見比べてみました。以下の画像は左がGoPro HERO10 Black、右がGoPro HERO9 Blackです。

前面。GoPro HERO10 Blackはロゴの色が青色になりました。


背面は同じ。


右側面に描かれているロゴの色も青色に。


左側面も全く同じ。


天面から見ると、カメラモジュールの奥行きもボタンの位置も同じであることがわかります。


底面も同じ。


GoPro HERO10 BlackはGoPro HERO9 Blackと見た目は全く同じですが、独自開発の画像処理プロセッサが「GP2」に進化し、全体的に性能が強化されているとのこと。そこで、以下のムービーで見られるように同時に起動したり操作感を比べたりしてみました。その結果、GoPro HERO10 Blackの方が1秒~2秒ほど起動時間が早いと判明。また、背面のタッチディスプレイのリフレッシュレートが向上したとのことで、スクロールがより滑らかになり、操作性が上がった印象。

GoPro HERO10 BlackとHERO9 Blackの起動とメニュー操作を比較してみた - YouTube


また、GoPro HERO10 Blackでは、前モデルと同様に背面ディスプレイの下端から上に向けてスワイプすると、撮影した動画を再生することができます。ただし、前モデルと異なり、右上に「i」アイコンが表示されるようになりました。


この「i」アイコンをタップすると、撮影した動画の設定を見返すことが可能。これまで撮影した動画のレンズやHyperSmooth、カラー、ISO感度などの撮影設定を本体上で見返すことができなかったので、これはかなりうれしい機能追加といえます。


次に、ゴリラポッド リグにGoPro HERO10 BlackとGoPro HERO9 Blackを並べて取り付けて、同時に撮影した映像を比較してみました。


GoPro HERO9 BlackではHyperSmoothが3.0だったのが、GoPro HERO10 Blackでは4.0に進化。HyperSmooth 3.0では「オフ」「オン」「高」「ブースト」だったのが、HyperSmooth 4.0では「オフ」「標準」「高」「ブースト」となりました。以下はどちらもHyperSmoothを「高」にして撮影したムービーで、カラーの設定はどちらも「フラット」となっています。比べて見てみるとGoPro HERO10 Blackの方が手ブレ補正が少し強くかかっていて、映像の安定感が高いことがわかります。

GoPro HERO10 BlackとHERO9 Blackを同時に撮影、比較してみた~HyperSmooth編 - YouTube


そして、特にGoPro HERO10 Blackで大きく変わったのがカラーです。GoPro HERO9 Blackではカラーは「フラット」「GoPro」の2種類が用意されており、デフォルトはGoProとなっていました。一方、GoPro HERO10 Blackは「フラット」「ナチュラル」「鮮明」の3種類が用意されています。鮮明はGoPro HERO9 BlackでいうところのGoPro設定で、ナチュラルはフラットと鮮明のちょうど中間となる色合いになっているとのこと。


実際にGoPro HERO10 Blackをナチュラルで、GoPro HERO9 BlackをGoProで同時に撮影したのが以下のムービー。なお、Hypersmoothは最も補正が強くかかる「ブースト」に設定しましたが、GoPro HERO10 Blackの方はカメラの方向を変えたときの動きでまるで機械で動かしたように均一な速度でカメラをパンしたように見えることもあり、補正がかなり強くなっていることがわかります。

GoPro HERO10 BlackとHERO9 Blackを同時に撮影、比較してみた~カラー編 - YouTube


GoProとナチュラルで特に違いが出るのが青空の色合いです。以下の画像はGoPro HERO10 BlackとGoPro HERO9 Blackで撮影した青空で、中央にあるバーを左右に動かすことでその色合いを比較できます。GoPro HERO9 BlackのGoPro設定(上)だとかなりビビッドな色合いになっていますが、GoPro HERO10 Blackは比較的抑えめの色合いになっています。「GoProだとちょっと彩度が高くどぎつくて、フラットだと色あせて見える」という人にはナチュラルがおすすめ。


また、GoPro HERO10 BlackとGoPro HERO9 Blackで、暗所を撮影する性能を比較してみました。まずは薄暗い程度の日陰となる橋の下を撮影してみたところが以下。EV設定は0で、ISO感度は最小100・最大1600で自動に設定してあります。

GoPro HERO10 BlackとHERO9 Blackを同時に撮影、比較してみた~日陰編 - YouTube


GoPro HERO10 Black(左)とGoPro HERO9 Black(右)で比べてみると、川の水面や川岸の石で「わずかにGoPro HERO10 Blackの方が明るく撮れているかも」と思う程度で、一目見てわかるほど明確な違いが出ているようには感じられませんでした。


次のムービーは深夜に散歩しながら同時に撮影したもの。

GoPro HERO10 BlackとHERO9 Blackを同時に撮影、比較してみた~深夜の暗闇編 - YouTube


少し赤みがかってノイズも比較的多いGoPro HERO9 Blackの映像と比べて、GoPro HERO10 Blackの方が「暗いところがちゃんと黒く撮影できている」という印象はありますが、やはり暗い場所では映り方がほとんど変わらず、特に明るくなったという変化は見られませんでした。


実際に使ってみると、GoPro HERO10 Blackは見た目こそ前モデルとほとんど同じですが、処理性能が向上してサクサクと操作できるようになった上に、HyperSmoothが強化されて手ブレが大きく軽減されていたり、ナチュラルという新しいカラーで撮影できるようになったりと、細かい部分で進化している印象を受けました。一方で、暗所の撮影性能にはあまり変化が見られず、最大解像度が5Kから5.3Kに上がったのもそこまで大きな恩恵には感じませんでした。なお、GoPro HERO10 Blackはさらに、撮影したムービーを有線でスマートフォンに送信できるようになり、ファイルサイズの大きいデータを爆速で転送可能になったとのことで、後ほど実際にGoPro HERO10 Blackからスマートフォンに有線でデータを送信してみた記事を公開予定です。

GoPro HERO10 Blackは公式ストアで購入可能で、記事作成時点で本体のみが税込5万4000円で購入可能。また、Amazon.co.jpで取り扱われており、本体と5年間保証、64GBのmicroSDカード、充電口付きサイドドアとステッカーのセットが7万7600円で購入可能です。

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in レビュー,   ハードウェア,   動画, Posted by log1i_yk

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