トコジラミは殺虫剤への遺伝的耐性を身につけているという研究結果

トコジラミは南京虫(なんきんむし)とも呼ばれる1mm程度の小さな昆虫であり、人から血を吸う際に注入するだ液でアレルギー反応が引き起こされ、強いかゆみをもたらします。そんなトコジラミのゲノムを分析した研究で、一部のトコジラミが殺虫剤への遺伝的耐性を身につけていることが判明しました。
First evidence of the A302S Rdl insecticide resistance mutation in populations of the bed bug, Cimex lectularius (Hemiptera: Cimicidae) in North America | Journal of Medical Entomology | Oxford Academic
https://academic.oup.com/jme/advance-article-abstract/doi/10.1093/jme/tjaf033/8078368

Researchers find first evidence of potential bed bug insecticide resistance in gene mutation | Virginia Tech News | Virginia Tech
https://news.vt.edu/articles/2025/04/bed-bug-gene-mutation-insecticide-resistance-warren-booth-flsi.html
Bed Bugs Appear to Have a Genetic Resistance to Pesticides : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/bed-bugs-appear-to-have-a-genetic-resistance-to-pesticides
トコジラミはかつて日本を含む世界各国で猛威をふるいましたが、1940年代以降は強力な殺虫剤であるDDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)の普及や生活環境の改善により減少し、日本などの先進国ではほとんどみられなくなりました。
ところが近年、先進国でも再びトコジラミが流行し始めており、日本でもホテルの客室などでトコジラミが発生する事例が増えています。2023年にはフランスの公共交通機関や映画館、病院などでトコジラミが大量発生し、パリ市がトコジラミに対応する国家特別委員会の設置を求める事態となっています。
フランスでトコジラミが大量発生してパリ市が虫対策の国家特別委員会設置を求める事態に - GIGAZINE

近年のトコジラミはDDTなどの殺虫剤への耐性を身につけているとのことで、アメリカのバージニア工科大学などの研究チームは、トコジラミの遺伝子を分析して殺虫剤耐性に寄与する遺伝子変異を探しました。
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in サイエンス, 生き物, 無料メンバー, Posted by log1h_ik
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