サイエンス

小さな失敗は笑い飛ばす方が恥ずかしがるより社会的に有利だという研究結果


つまずく、人違いをする、名前を思い違えるといった、相手に実害を与えないレベルのちょっとした失敗をしたとき、人は恥ずかしそうに振る舞うよりも、自分で自分を笑い飛ばしたほうが周囲から好意的に受け取られやすいことが、コーネル大学の心理学者らが発表した研究結果で示されました。

Transcending embarrassment: On the reputational benefits of laughing at yourself - PubMed
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41746706/

When you stumble, laughter beats embarrassment
https://phys.org/news/2026-02-stumble-laughter.html

もともと先行研究では、失敗のあとに恥ずかしそうにすることには「恥ずかしさを見せることで本人が社会規範を理解し、反省しているように映る」という社会的な利点があると考えられていたのこと。これに対して今回の研究は、現実には人がしばしば「自分を笑う」という別の反応も見せることに注目したものです。


研究チームは合計3204人を対象としたオンライン実験で、参加者に「パーティーでガラス戸にぶつかる」「劇場で別の人に手を振ってしまう」といった気まずい失敗の場面を読ませ、「恥ずかしそうにした」あるいは「自分で笑った」と文章で示したり、恥ずかしそうな表情や笑っている表情の画像を見せたりするなど、その人物がどう反応したかを見せました。

その結果、軽微な失敗では自分を笑った人物のほうが、恥ずかしそうにした時よりも「温かい人間で、有能で、本音が感じられる」と判断される傾向にあったとのこと。


研究チームによると、恥ずかしそうにすることがしばしば「やりすぎ」だと解釈されたとのこと。参加者は恥ずかしそうにする人について、その状況に見合う以上に強く恥を感じていると受け取りがちだった一方で、自分で笑う反応に対しては「その失敗が大したことではないと失敗した本人が理解している」ことを示していると受け止める傾向にありました。

研究チームは「恥ずかしさと自分を笑う反応はどちらも場をなだめる機能を持つが、恥ずかしさは過度に自意識的だと見なされやすく、それが人物評価の伸びを妨げるのに対し、自分を笑う反応は感情の程度が状況に見合っていると見なされやすい」と説明しています。

ただし、この結果は「失敗が無害であること」が条件となっています。研究では、転んで自分の腕を折ってしまう場面や、転んだ拍子に他人を巻き込んで相手の腕を折ってしまう場面も検討されましたが、本人や他人に深刻な被害が出るケースでは、自分を笑う人物は不適切に振る舞っていると見なされたとのこと。


研究チームは「他人への害が大きくなるほど、自分を笑うことの利点は弱まり、場合によっては恥ずかしさを示すより不利に転じる」と論じました。

今後の課題として研究チームは、恥ずかしさやユーモアに関する文化差、ジェンダー規範、職場のような場の違いが、この効果にどう影響するのかも調べたいとしています。

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in サイエンス, Posted by log1i_yk

You can read the machine translated English article Research suggests that laughing off smal….