折り紙に着想を得た指輪で仮想世界の触覚を指先に返せるウェアラブルデバイス「OriRing」が開発される

仮想現実(VR)や拡張現実(AR)はゲームや映像への没入感を高めるだけでなく、訓練や業務支援の領域にも活用が広がっていますが、その一方でVR・AR体験の中心は視覚と聴覚に偏りがちです。そんな中、複数の大学による合同研究チームが科学誌「Nature Electronics」で仮想世界の触覚を指先に返せるウェアラブルデバイスを開発したことを発表しました。
An 18-g haptic feedback ring with a three-axis force-sensing skin | Nature Electronics
https://www.nature.com/articles/s41928-025-01515-x
Origami-inspired ring lets users 'feel' virtual worlds
https://techxplore.com/news/2026-01-origami-users-virtual-worlds.html
成均館大学・スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)・イスタンブール工科大学の共同研究チームは、仮想世界で体験している内容に沿った触覚をユーザーが現実に感じられるようにする指輪型のウェアラブルデバイス「OriRing」を開発しました。「OriRing」は指先にかかる力を押し込む方向(上下)だけでなく、指先を滑らせたときの力(左右2方向)まで検出し、その向きに合わせて指へ反力を返せるとのことです。
研究チームは「運動感覚(キネステティック)のフィードバックを備えた触覚ウェアラブルデバイスの開発は、デバイスの大きさや重さが携帯性と快適性を制限するため、まだ限定的だ」と論文上で指摘していますが、「OriRing」は18グラムと軽量な設計になっています。
「OriRing」の土台は折り紙に着想を得た折りたたみ構造になっており、この折りたたみ構造によってコンパクトながらも効率よく力を伝えられる点が「OriRing」の特徴だと研究チームは述べています。

「OriRing」の指先に当たる部分は、押し込み方向の力とこすったりずらしたりしたときの力を同時に検出できる「力覚センシング皮膚」として設計されています。研究チームによると、力覚センシング皮膚はレーザー加工でピラミッド状の微細な凹凸を作った層と、押されると抵抗値が変わる小さな測定区画を4つ並べた層を組み合わせて構成したとのこと。これにより直線的な感度と速い応答を確保できると研究チームは述べています。

「OriRing」のリング部分には押されたり曲げられたりすると電気抵抗が変化するセンサーが4つ組み込まれており、さらに指先へ反力を返すために空気圧で膨らむ柔らかな駆動装置も搭載されています。加えて、インクジェット印刷で作製した、指の曲がり具合を測るセンサーも使用していると研究チームは説明しています。
研究チームは「OriRing」の初期テストにおいて、上下方向だけでなく左右方向にも力を加えられることを確認できたと報告しています。触覚のフィードバックについては最大6.5ニュートンまで提示できたとのこと。研究チームは「VRやARの中で触っている対象に沿った触覚を提示できる可能性がある」としています。

研究チームは今後の展開として、ゲーム体験の強化だけでなく、専門的な訓練や医療リハビリテーションのように、触覚を伴う操作や学習が重要になる場面での応用の可能性も挙げています。小型で装着しやすい触覚ウェアラブルデバイスが増えれば、仮想空間の体験は「見て聞く」だけでなく「触って確かめる」方向にも広がっていくことが期待されます。
・関連記事
仮想空間の触覚体験を得られるグローブをMetaが開発 - GIGAZINE
仮想空間内の物体の触感を伝えるVR用グローブ「Teslasuit Glove」が登場、脈拍を測定してくれる機能も搭載 - GIGAZINE
ディズニーが空気圧で「ハグ」や「ヘビが背中を駆け巡る」様子を再現できるVRジャケット「Force Jacket」を開発 - GIGAZINE
磁場を変化させることで瞬時に形状を変化させられる折り紙構造ロボットを3Dプリンターで出力 - GIGAZINE
・関連コンテンツ
in ハードウェア, サイエンス, Posted by log1b_ok
You can read the machine translated English article OriRing, a wearable device inspired by o….






