自動運転技術の安全調査のため規制当局が12の自動車メーカーにデータを要求
テスラのオートパイロット機能で緊急車両との衝突事故が相次いでいることから、アメリカの国家道路交通安全局(NHTSA)がテスラに対する調査に続いて、主要な12の自動車メーカーに「運転支援システム」、いわゆる自動運転技術に関するデータの提供を求めています。これは当局としての命令で、データ提供を拒んだ場合、最大で1億1500万ドルの罰金を科される可能性があります。
NHTSA seeking driver-assist data from 12 automakers in Tesla Autopilot probe | Automotive News
https://www.autonews.com/regulation-safety/nhtsa-seeking-driver-assist-data-12-automakers-tesla-autopilot-probe
The investigation into Tesla Autopilot’s emergency vehicle problem is getting bigger - The Verge
https://www.theverge.com/2021/9/14/22673497/tesla-nhtsa-autopilot-investigation-data-ford-gm-vw-toyota
NHTSAが情報を収集しているのは、レベル2のドライバー支援システムを搭載した車両に関する情報。「自動運転」にはレベル1からレベル5の分類があり、レベル2は特定の条件下でステアリング、ブレーキ、アクセルを同時に制御する機能です。NHTSAが求めているのはアメリカ国内でレベル2のシステムを搭載した車両の数、使用されているシステムでカバーされる累積走行距離、最新の更新ログ。
フォードには以下のような書類が送られたことがわかっています。
NHTSA Ford letter | PDF | System | National Highway Traffic Safety Administration
https://www.scribd.com/document/525253207/NHTSA-Ford-letter
NHTSAが調査に乗り出したのは、「オートパイロット機能」を搭載したテスラの車両が停止中の緊急車両に衝突する事故が過去に12件発生し、17名が負傷、1名が死亡しているという経緯によるもの。事故はいずれも周りが暗くなってから発生しており、オートパイロット機能のソフトウェアは警告灯や発煙筒、コーン、反射板など、事故防止のために現場に設置されているものを無視していました。すでにテスラに対しては、76万5000台を対象とした調査が進められています。
テスラの「オートパイロット機能」の正式調査をアメリカ政府機関が開始、停車中の緊急車両に衝突する事故が相次いだ件で - GIGAZINE
データ提供の期限は、テスラが10月22日、アメリカを拠点とするフォードやGM、ステランティスなどが11月3日、トヨタやスバル、日産、ホンダなどその他の自動車メーカーが11月17日となっています。
なお、すでにトヨタはNHTSAの要求に応じることを明らかにしていますが、VWの広報担当者はコメントを拒否。他メーカーの担当者はコメント要求に応じなかったとのことです。
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