アノニマスが右翼の御用達ホスティング事業者「Epik」から10年分のデータを盗んだと発表

匿名のハッカー集団であるアノニマスが、アメリカのドメインレジストラおよびホスティング事業者であるEpikから顧客情報などを含む業務データを盗み出したと宣言していたことが分かりました。アノニマスは、これらのデータを無償公開するとしています。

Anonymous: Group Alleges It Hacked Far-Right Web Host Epik
https://www.dailydot.com/debug/anonymous-hack-far-right-web-host-epik/

BREAKING: DNS and host provider Epik Software hacked by Anonymous - Malcontent News
https://malcontentment.com/breaking-dns-and-host-provider-epik-software-hacked-by-anonymous/

独立系のジャーナリストであるスティーブン・モナセリ氏は2021年9月14日に、「スクープです。『極端なハッカー集団』ことアノニマスが、テキサス州共和党や人工妊娠中絶の密告サイトなどをホストしているEpikの大規模なデータセットにアクセスしました」とTwitterに投稿しました。

Epikは、極右の過激派を支援したことで主要サービスから排除されることとなったGabや、白人至上主義により主要サービスから排除されることとなった8chanなどが利用していたことで知られているホスティング事業者です。また2021年9月には、ドメイン登録数世界一のドメインレジストラ企業のGoDaddyがサービスを拒否した中絶反対団体の情報提供募集サイトのドメイン登録を行っていたとも報じられていました。

「妊娠中絶密告サイト」をドメイン登録数世界一のGoDaddyが切断 - GIGAZINE

アノニマスは発表の中で、Epikから「10年分のデータ」を窃取したと主張しており、その中にはEpikの取引の履歴や顧客情報、内部のアプリケーションのためのGitリポジトリ、50万件以上の秘密鍵、従業員がやりとりした電子メールなど35GB分のデータが含まれているとされています。

IT系ニュースサイトのGizmodoによると、Epikの広報担当者は「私たちはいかなる侵害も関知していません。当社は、お客様のデータの保護を非常に重視しており、今回の疑惑については調査中です」とコメントして、データの流出を否定しているとのこと。

また、今回の一件を最初に報じたモナセリ氏の一連のツイートに対し、EpikのCEOであるロブ・モンスター氏は「あなたに関する記事について、私は何も知りません。私が知っているのは、あなたと私は先週、Epikに関するありもしない話について電話で15分ほど話したということです。あなたはその後、何の意味もない記事を何ページにもわたって書いて発表しました」とコメントして、モナセリ氏の情報の信頼性を疑問視する姿勢を示しました。