Facebookが競合である「マストドン」関連の投稿をスパム判定しているという指摘
Facebookがオープンソースのソーシャルネットワークサービスである「マストドン」に言及する投稿や、マストドンのURLをスパム判定し、他の人から見えないように投稿を削除していることが判明しました。
Facebook Is Censoring People For Mentioning Open-Source Social Network Mastodon | The Changelog
https://changelog.complete.org/archives/10285-facebook-censored-me-for-mentioning-open-source-social-network-mastodon
オープンソースで開発されているミニブログのマストドンは、1つの企業によって運営されるのではない、「脱中央集権型」のソーシャルネットワークサービスとして知られています。ソフトウェア開発者であるJohn Goerzen氏は、以前からFacebookのようなサービスは「ユーザーをプラットフォームに留めることで広告を表示し収益を得る」ことから、ユーザーの恐怖をあおり、社会に悪影響を及ぼすと指摘してきました。このため、営利目的で運営されていないマストドンの方が健全なソーシャルメディアの利用を促進できるとGoerzen氏は主張しています。
Facebookを始めとするアテンション・エコノミーの有害さを主張するGoerzen氏は、2020年11月にFacebook上でマストドンに言及する記事を公開していましたが、この投稿に関してFacebookから「スパムに関するコミュニティの基準に違反する」という警告を受け取ったとのこと。警告には「私たちは偽広告・詐欺・セキュリティの流出といったものを防ぐための標準を持っています。あなたの投稿は他の誰からも見ることができません」と書かれていました。
過去にGoerzen氏がFacebookで同様の警告を受けとったことはなく、「競合相手であるオープンソースのマストドンがFacebookのフィルターに引っかかったのだろう」とGoerzen氏はみています。また、Facebookから間違ったフィルタリングを受けたとして異議を申し立てようとしても、「通常であればレビューをリクエストできますが、COVID-19の流行でコンテンツレビュアーの数が少ないため、フォローアップできない可能性があります」と表示されてしまったとのこと。コミュニティの基準違反の決定について質問したり、異議に関する詳細内容をFacebookに送信したりする方法もなかったそうです。加えて、MastodonプロジェクトのURL自体がFacebookでスパム判定を受けることも、Goerzen氏は報告しています。
また、同様の報告はGoerzen氏以外からも上がっています。
これに対し「Facebookにとってマストドンが脅威だとは思えない」という意見もありますが、Hacker Newsでは「大規模で倫理的に課題がある企業(Facebookではありません)に勤めていた経験からいうと、慎重に行う限り、企業が競合他社を穏やかにかつ積極的に押し下げるという行動はまったく驚きではありません」とコメントする人もいました。
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