「解凍した肉の再冷凍はNG」など食の安全にまつわる間違い5選


肉類は健康を保つ上で重要な食べ物ですが、取り扱いを間違えると食中毒や感染症の原因にもなります。そんな肉をはじめとする食の安全でよく勘違いされている「5つの迷信」を、オーストラリア連邦科学産業研究機構で食品微生物学を研究しているキャシー・モイア氏が解説しました。

You 'can' thaw and refreeze meat: five food safety myths busted
https://theconversation.com/you-can-thaw-and-refreeze-meat-five-food-safety-myths-busted-51125

◆迷信1:解凍した肉は再冷凍してはいけない
モイア氏によると、5度以下の冷蔵庫で解凍した肉や冷凍食品なら、再冷凍しても問題ないとのこと。ただし、解凍後に冷凍すると細胞が壊れるため、肉が水っぽくなる可能性はあります。


また、結露に食べ物の汁などが加わって栄養豊富になると雑菌が繁殖してしまうため、調理した冷凍食品を改めて冷凍するような場合は、小分けにした上で冷凍するという手もあります。特に、熱い料理を冷蔵庫や冷凍庫に入れる前には、30分ほど冷ますといいそうです。

◆迷信2:調理前の肉を洗う
モイア氏は「料理の下ごしらえの時に鶏肉を洗うのは考え物です。有害な微生物を含んだ水がキッチンに飛び散ると、それらが食材や料理器具の表面に付着して、より大きなリスクになるからです」と述べています。

以下の記事を読むと、なぜ鶏肉を洗ってはいけないのかが一目で分かります。

「鶏肉を水で洗ってはいけない」と専門家が警告 - GIGAZINE


一方、果物や野菜など、土の中や土の近くで栽培されたものは、汚れや微生物が付着している可能性があるため、特に生で食べる場合は洗った方がいいとのこと。またモイア氏は、フルーツやサラダなど生食する料理は生肉や魚介類とは別に準備した方がいいと推奨しています。

◆迷信3:温かい食べ物は一晩冷ましてから冷蔵庫に入れるべき
前述の通り、モイア氏は料理を冷蔵庫に入れる際は30分間ほど粗熱を取るよう勧めていますが、完全に冷まそうとして一晩も放置するのはかえって食中毒のリスクを高めます。特に、5~60度は微生物が活発に繁殖する温度なので、食べ物がこの温度になる時間はできるだけ短くした方がいいとのこと。

モイア氏によると、容量2リットルのボウルなど大きくてかさばる容器に食べ物を入れると、冷蔵庫の中であっても温度が5度以下になるまで24時間以上かかることがあるそうです。そのためモイア氏は、シチューやスープのような温かい食事を冷蔵庫に入れる際は、浅い容器で小分けにすることを推奨しています。


◆迷信4:匂わなければ食べても安全
腐ったり傷んだりした食べ物は、異臭を放ったりドロドロになったりするので、すぐに食べてはならないと分かります。しかし、病原菌が繁殖していても匂いや見た目では分からないこともあるそうです。

◆迷信5:オイル漬けなら常温保存でOK
オーストラリアでは、野菜のオイル漬けがよく家庭で作られているとのこと。とはいえ、油に漬けて空気に触れないようにしても、ボツリヌス菌などのような嫌気性の病原体が繁殖することがあるので、オイル漬けにしたからといって長持ちするとは限らないと、モイア氏は警鐘を鳴らしています。

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in , Posted by log1l_ks

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