サイエンス

夜にぜんそくがひどくなる理由を科学者が調査


昔からぜんそくは夜にひどくなることが多いといわれています。ブリガム・アンド・ウィメンズ病院とオレゴン健康科学大学の研究チームが、2つの概日プロトコルを用いて、体内時計の役割の重要さを明らかにしました。

Study explores why asthma worsens at night
https://medicalxpress.com/news/2021-09-explores-asthma-worsens-night.html


研究結果はアメリカ科学アカデミー紀要に掲載されました。

アメリカでは2000万人いるぜんそく患者のうち75%が夜になると症状が悪化すると報告しています。ぜんそくの症状が悪化する要因としては運動、気温、姿勢、睡眠環境などいろいろなものが知られていますが、ブリガム大学睡眠・概日障害部門ディレクターのフランク・A・J・L・シェアー博士とオレゴン職業健康科学研究所所長のスティーブン・A・シア博士は、この問題へのサーカディアンリズム(概日リズム)の影響を調査しました。


研究チームはサーカディアンリズムとその他の行動要因の影響を切り離すため、2つの実験プロトコルによる評価を行いました。「一定ルーチン」プロトコルでは、被験者は薄暗い環境下におかれ、一定の姿勢で38時間連続して起き続け、2時間ごとに同じ軽食を取りました。もう一方の「強制非同期」プロトコルでは、薄暗い環境下で28時間の睡眠・覚醒サイクルを1週間繰り返し、すべての行動をサイクル内で均等に行うようにしました。

この結果、被験者となった17人のぜんそく患者が吸入器を使う回数は、日中よりもサーカディアンリズムにおける夜の方が4倍も多かったことがわかりました。

シェアー博士は「今回の研究は、概日システムの影響を、睡眠を含む行動および環境要因から注意深く分離した最初期の研究の1つです」と研究の意義についてコメント。

また、シア博士は「ぜんそくの症状が最もひどい人は、サーカディアンリズムによって引き起こされる夜間の肺機能低下が最も大きく、さらに睡眠などの行動によっても大きな変化が生じることが分かりました」とコメントしています。

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in サイエンス, Posted by logc_nt

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