人類は1万2000年以上前に「世界最古のサイコロ」を生み出していたとの研究結果

サイコロはボードゲームやギャンブルなどに使われる道具で、意図的にランダムな数字や結果を出すために用いられます。アメリカ西部の先住民がサイコロを1万2000年以上前から生み出していたとの研究結果を、アメリカ・コロラド州立大学の博士課程に在籍するロバート・マッデン氏が発表しました。
Probability in the Pleistocene: Origins and Antiquity of Native American Dice, Games of Chance, and Gambling | American Antiquity | Cambridge Core
https://www.cambridge.org/core/journals/american-antiquity/article/probability-in-the-pleistocene-origins-and-antiquity-of-native-american-dice-games-of-chance-and-gambling/E38C7B1F4CE7F417D8EFAC5AFEEF20A2
Native Americans invented dice and games of chance more than 12,000 years ago, archaeological study reveals | Live Science
https://www.livescience.com/archaeology/americas/native-americans-invented-dice-and-games-of-chance-more-than-12-000-years-ago-archaeological-study-reveals
Scientists May Have Uncovered The World's Oldest Dice : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/scientists-may-have-uncovered-the-worlds-oldest-dice
マッデン氏はアメリカの先住民によるサイコロの使用を研究するにあたり、アメリカの博物館員であるステュアート・キューリンが著わした「Games of the North American Indians(北米インディアンのゲーム)」という書籍に着目しました。キューリンはネイティブアメリカンのゲームに関する歴史的な記録を集めた人物であり、ネイティブアメリカンによるサイコロの使用についても研究していたとのこと。
キューリンはネイティブアメリカンのサイコロを「binary lots(バイナリーロット)」と表現しています。これは、平らまたは湾曲した面を持つ物体の片面に特定の模様や色が着けられ、もう片面には何も描かれていないものを指します。バイナリーロットを投げるとランダムな面を上にして落下するため、コインを投げた時と同じ要領でランダムな結果が得られるというわけです。ネイティブアメリカンはしばしば複数のバイナリーロットを投げて、数学的に複雑な結果を生み出していました。
マッデン氏はキューリンの記述を参考に、サイコロの基準として「木製または骨製の両面構造であること」「片面が塗料・顔料・模様などで明確に区別されていること」「表面が平らかわずかに湾曲していること」「プレイヤーが一度に複数個持って投げるのに適した形状であること」という4つの項目を作成。アメリカ中西部のグレートプレーンズや西部のロッキー山脈の遺跡から出土した、1万3000~450年前のネイティブアメリカンの遺物について調査しました。
その結果、サイコロの4つの基準すべてに満たす遺物が565点、基準のうちいくつかを満たす遺物が94点特定されました。マッデン氏は、「ほとんどの場合、これらの遺物はすでに発掘および公表されていました。欠けていたのは証拠ではなく、私たちが目にしているものが何であるかを認識するための、大陸全体にわたる明確な基準だったのです」と述べています。
以下の写真は、今回の研究でマッデン氏がサイコロであると判断したか、サイコロの可能性が高いと見なされた異物の例です。

マッデン氏が見つけた最も古いサイコロは、ワイオミング州・コロラド州・ニューメキシコ州のフォルサム文化の遺跡から出土したもので、約1万2200~1万2800年前のものと特定されています。さらに、そのうち1個は1万3000年以上前のクローヴィス文化にさかのぼる可能性があるそうです。
ネイティブアメリカンのサイコロは人の移動が多い境界領域でよく見られることから、マッデン氏はこれらの人々が物や情報、パートナーなどの交換にサイコロを使っていたのではないかと推測しています。ネイティブアメリカンが行うギャンブルは主に一対一で行われ、賭けるのは毛皮や半貴石といった交易品だったとのこと。
アメリカ大陸以外に目を向けると、最古のサイコロとされる遺物はアジアや中東で発見された約5500年前のものであり、ネイティブアメリカンは世界に先駆けてサイコロを発明していた可能性があります。マッデン氏は、「この研究結果はサイコロや運任せのゲーム、そして賭博がネイティブアメリカン文化の根強い特徴であり続けたことを示唆しています。これは社会統合に極めて重要な役割を果たし、少なくとも過去1万2000年前から現在に至るまで続いています」と述べました。
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