幸せでなくても有意義でなくても良い人生を送ることは可能、カギとなる「心理的な豊かさ」とは?
by エン バルドマン
「良い人生とは何か」という問いはいつの時代でも議論になりますが、近年は「幸福」や「人生の意味を見つけること、有意義さ」が「良い人生」の重要な指標と考えられる傾向にあります。しかし、新たな研究では、これらとは定義が異なる「心理的な豊かさ」の重要性が指摘されています。
A psychologically rich life: Beyond happiness and meaning. - PsycNET
https://psycnet.apa.org/record/2021-74886-001
A 'Good' Life Doesn't Necessarily Have to Be Happy, New Psychology Research Shows
https://www.sciencealert.com/life-doesn-t-have-to-be-happy-or-meaningful-many-of-us-just-want-to-be-psychologically-rich
バージニア大学のシゲヒロ・オーイシ氏とフロリダ大学のエリン・ウェストゲート氏は、「心理的な豊かさ」を幸福や有意義さとは異なり、「さまざまな関心」と「視点の変化を伴う体験」に最も関連しているとのこと。2人によると、「心理的な豊かさ」は「幸福であること」とは異なり、嫌なことや不快感を許容します。
2人はこれまでも、「良い人生」の指標として「心理的な豊かさ」が重要であることを示す研究結果を発表しており、特にドイツ・インド・韓国・日本において「心理的な豊かさ」が重視される傾向があると示してきました。新たな研究では1336人の大学生に対して3つのアンケート調査を実施した結果、回答者は人生やウェルビーイングについて評価を行う際に、「心理的豊かさ」を「幸福」や「有意義さ」と切り離すことができると示されたとのこと。
世界中の多くの人が幸福や有意義さを犠牲にしてでも「心理的な豊かさ」を選択することが示されており、またこのような人々の3分の1が「人生最大の後悔を取り消すことが、自分の人生の豊かさを作った」と語っていることを研究者は報告しています。「海外を旅すること」「キャリアを変えること」「やりがいある芸術に没頭すること」などが人々の求める「心理的な豊かさ」の例とのことで、「心理学的な豊かさ」に基づく「良い人生」とは常に楽しみがあることよりも、「異なる視点を探ること」に価値を置いていると言えます。
一方で研究者は「幸福」「有意義さ」「心理的な豊かさ」以外にも、学習・創造性・他者の世話といったさまざまな要因が「良い人生」への評価と関係していることを指摘。「『心理的豊かさ』『幸福』『有意義さ』はそれぞれ関連していますが、それぞれが固有の原因と相関関係を持つ『いい人生』の異なる側面です」「この研究は、幸福かウェルビーイングかという二分法を超えて、良い人生を評価する別の次元として『心理的な豊かさ』を研究するための基礎となります」と研究者は述べました。
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