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超高度な文明は「外」に向かって拡大するのではなく「内」に向かって小さな世界を意のままに操るのかもしれない


「超高度な文明」がどのようなものか想像した時、別の恒星まで宇宙旅行をしたり他の惑星へ入植したりするような、外に拡大していくタイプの文明を想像する人は多いはず。ところが教育系YouTubeチャンネルのKurzgesagtは、「超高度な文明は外に拡大していくのではなく内の世界を自由自在に操作するのかもしれない」として、内に向かうタイプの文明発展について解説しています。

This Is What a Godlike Civilization Would Look Like - YouTube


人類は長年にわたり、高度な文明を持った宇宙人がどのような存在なのかを思い描いてきました。


その中には恒星を覆ってエネルギーを余すところなく利用するダイソン球や恒星間旅行、銀河帝国といったものに象徴される、「超文明はより大きく勢力を広げ、より多くのエネルギーを消費する存在だ」イメージがあるかもしれません。


しかし、真の宇宙文明は人々の予想とは異なるタイプの発展を遂げている可能性があるとのこと。


一般に人間は拡張主義的で、資源を貪欲に追い求めます。天文学的に見れば非常に短期間で人間は地球全体に広がり、多くの大型動物を食べ尽くし、森林の3分の1を伐採し、金属を求めて鉱山を掘り起こしました。


それにもかかわらず人間の進歩は止まっておらず、ついには宇宙へ進出し、地球外の資源もむさぼろうとしています。


確かに人間の祖先が生きていた過酷な世界では、より多くの土地を征服することが食料や安全の確保につながっていたため、領土拡大は一般により豊かな生活を送るための鍵でした。


この理論を宇宙人にも当てはめ、マクロレベルでのエネルギー消費量によって文明の発展レベルを分類したのがカルダシェフ・スケールです。カルダシェフ・スケールではその惑星で利用可能なすべてのエネルギーを使用および制御できる「タイプI文明」、恒星系規模のエネルギーを使用および制御できる「タイプII文明」、そして銀河全体のエネルギーを制御できる「タイプIII文明」の3つに文明が分けられます。


しかし、必ずしも文明が外向きに拡大していくとは限りません。すでに地球においても、より大きなものではなく小さなものから大きな進歩が生まれるようになっています。


たとえば知識や情報を伝達する文字、世界中の人々を病気から救った人工的な医薬品、空気を作物の栽培に役立つ肥料に変えるテクノロジー、砂をトランジスタに変換することで生み出された小型コンピューターなどは、小さいながらも世界を大きく進歩させました。


つまり、際限なく外部に拡張していくだけでなく、身近な世界をコントロールすることでも文明はより豊かになるというわけです。


こうした視点に基づき、カルダシェフ・スケールとは逆に「どれほどミクロのレベルまで制御できるのか」という観点で文明を評価する尺度がバロウ・スケールです。


バロウ・スケールにおけるタイプI-(マイナス)文明はこれまでの人間の歴史を網羅するもので、自分たちの体に合った物体を操ったり、建築物を建てたり、物質を精製したりすることが含まれます。


そしてタイプII-文明になると、生命の言語ともいえるDNAを完全に制御可能となります。人間は依然として遺伝子解読からわずか60年の地点であり、強力な遺伝子編集ツールであるCRISPR-Cas9の発見からは約10年ほどしか経過していません。


DNAを完全に理解して制御できるようになれば、ほとんどすべての病気を治したり、老化した血液・骨・筋肉などを意のままに強化可能になるかもしれません。


すべての色を感じ取れる目や傷跡を残さない肌、磁場を感じ取れる脳など、体の器官を大幅にアップデートすることも可能。また、予備の臓器バンクを作り、いつでも新鮮な臓器に入れ替えられるようになる可能性もあります。


ペットを不死身にしたり、害を及ぼす種を遺伝子操作して無害化したり、何かの目的のためにまったく新たな生命体を作り出せるかもしれません。


たとえば「大気中の二酸化炭素を吸収し、腐敗しない素材に閉じ込める能力を持った超高速で成長する植物」を生み出せれば、気候変動問題はあっという間に解決する可能性もあるとのことです。


人類は今後数十年から数世紀のうちに、タイプII-文明に到達する可能性があります。


さらに発展したタイプIII-文明では個々の分子や分子結合を、タイプIV-文明では原子レベルの制御が可能となります。


これらの段階で何が実現可能なのかは想像するしかありませんが、圧倒的な耐久性と汎用(はんよう)性に優れた新素材の開発、天候によって質感が変化する生地、単なる物質をスクリーンに変えるコーティング材、壊れる前に自己修復する道路や建築物などが実現する可能性があります。


また、原子を並び替えることで小さな物質に大量の情報を詰め込めるようになれば、汚染水の浄化や体内での手術まであらゆる種類の作業を行うナノボットを構築できるかもしれません。


大量のナノボットが寄せ集まった「ユーティリティフォグ」を作り出し、これを日常的な製品に自由自在に組み替えることも夢ではないとのこと。


こうなるとあらゆるゴミは原子を組み替えることで何度も再利用可能となり、物質の希少性はほぼ消え去ります。その結果、資源を調達するために外部へ拡大していく必要性がなくなるかもしれないとKurzgesagtは主張しています。


さらに進んだタイプV-文明では原子核の制御が可能となります。


中規模の湖に存在する原子核を操作して核融合を起こすことができれば、現生人類は数百万年もエネルギー問題とは無縁でいられます。


つまり、原子核を制御できるタイプV-文明では、文明にとって必要なエネルギーをすべて手に入れられるというわけです。そうなればダイソン球やその他のエネルギーを目的とした大規模工学プロジェクトは、まったく不要になるかもしれません。


また、原子核内部では陽子と中性子が毎秒数兆回も振動しており、これを利用する計算システムを生み出せればまったく新しい生命体や物質を設計し、宇宙の謎を解き明かすことすら可能かもしれません。


この先にあるタイプVI-文明やその先のタイプΩ-文明は、もはや現代の文明からは遠すぎるとのこと。


これらの文明では原子核のさらに奥深くにあるニュートリノやクォークといった素粒子の制御が可能となります。


何を成し遂げられるのかは想像もできませんが、もしかしたら宇宙の新たな次元を発見し、局所的に物理法則を変えたり、恒星系全体の時間を遅らせたりできるかもしれません。


また、新たな宇宙を創造することすら可能かもしれないとのこと。


Kurzgesagtは、高度な文明の最終地点は巨大化して宇宙を突き抜けるような存在ではなく、銀河の片隅にひっそりと存在する小さな神のような存在かもしれないと述べました。

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in 動画,   サイエンス, Posted by log1h_ik

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