トラフィック集中時のバーチャル待合室をCloudflareが提供開始、わずかな設定で導入可能
コンサート・ライブなどのチケットを予約しようとして、なかなか画面が進まずに苦労したという経験をした人は多いはず。パンデミック下では、ワクチン接種でも同様の事態が発生しています。こうした事態を発生しにくくするため、Cloudflareが集中したユーザーを待たせるための「Cloudflare待機室」の提供を開始することを発表しました。
Cloudflare Waiting Room | Cloudflare
https://www.cloudflare.com/ja-jp/waiting-room/
Cloudflare待機室
https://blog.cloudflare.com/ja-jp/cloudflare-waiting-room-ja-jp/
通常、Cloudflareでは以下のように、リクエストを元サーバーへと送っています。
しかし、トラフィックが急増すると、サーバーにアクセスできないユーザーがでてきます。このとき、人によってはずっとアクセスできない状況が続き、不公平感を味わうケースがあります。このため、リクエストの順番待ちを行って処理する「待機室」が必要となります。これまで「待機室」を必要とする事例はそれほど多くありませんでしたが、パンデミック下でのリモートワークやネット活用の増加により、必要性が高まることとなりました。
「待機室」があっても、問題は「いつ待機室を起動して、元サーバーを保護すべきなのか?そもそも、待機室を起動すべき状況なのか?」という判断がつかないことがあります。Cloudflareでは、待機室起動の適切なタイミングがわかるシステムを構築し、高負荷下にちょっとした待機時間が必要になる場合でも優れたユーザー体験を提供できるようにしたとのこと。
待機室を加えたリクエスト処理はこんな感じ。
待機室の利用にあたって、設定は「名称」「ホスト名(設定されたゾーンで事前入力済み)」「アクティブなセッションを張り続けられるユーザーの最大数」「1分あたりの新規ユーザー数」「cookie利用で滞在できる時間」の5つを埋めるだけ。
用意されている「デフォルト設定」を使うと、もっと簡単に設定が完了。複数の待機室を運用することもできます。
Cloudflare待機室はBusinessプラン、およびEnterpriseプランの利用者向けに、近いうちに提供される見込みとなっています。
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