「PS5の供給は半導体不足の影響をほぼ受けない」ことがソニーの2021年第1四半期決算報告で明らかに
ソニーが2021年第1四半期(4月~6月)の決算報告を2021年8月4日に発表しました。売上高は前年同期比で15%増の2兆2568億円、営業利益は前年同期比26%増の2801億円、1株当たりの純利益は前年同期比で13.95円増の169.22円でした。
ソニーグループポータル | 2021年度 第1四半期 業績説明会
https://www.sony.com/ja/SonyInfo/IR/library/presen/er/
インターネット中継 ソニーグループ株式会社 2021年度 第1四半期 業績説明会
https://www.irwebmeeting.com/sony/fast/20210804/x5kq83bu/202203_1q_01_ja/index.html
ソニーの2021年第1四半期における連結業績が以下。ソニーは売上高の変動要因として、家電部門であるエレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション(EP&S)分野と音楽分野の大幅増収があったと述べています。また、営業利益の変動要因にも、EP&S分野で大幅な損益改善があったと分析。一方でゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野では大幅な減益があったとコメントしています。
2021年第1四半期における各部門の業績が以下。G&NS部門は売上高こそ伸びていますが、営業利益は前年同期比で約33%減の833億円となっています。一方で、音楽部門とEP&S部門は売上高・営業利益ともに前年同期比でプラスとなりました。
G&NS部門の売上高が伸びたのは、PlayStation 5(PS5)発売によるハードウェアの増収と為替の影響によるものだとのこと。しかし、ソフトウェア減収の影響やハードウェアでの損益悪化、販売費および一般管理費の増加によって営業利益の大幅減につながったとソニーは述べています。ただし、2021年におけるPS5の販売台数目標については、PlayStation 4の導入翌年度の実績である1480万台を上回るという従来からの目標に変更はないとのこと。なお、2021年7月18日時点でPS5の販売台数は全世界で1000万台を突破しています。
なお、ソニーは2021年5月に「PS5は2021年6月に逆ザヤ状態を解消し、単体で黒字化する」という見通しを発表していました。
原価割れ状態で出荷されていたPS5が2021年6月に黒字化の見込み - GIGAZINE
PS5の損益改善について、十時裕樹副社長兼CFO(最高財務責任者)は質疑応答で、「ハードウェアの損益悪化への言及はあくまでPS4との比較でございますので、PS5の収益性という観点でいうと、今期の見通しを4月時点で出させていただいていますが、その時点の想定と変わっておりません、計画通り順調に進捗(しんちょく)しているという風に理解しています」とコメントしています。
加えて十時CFOは、世界的な半導体不足がPS5に与える影響については、「PS5については2021年の販売台数の目標を設定して、それに見合うだけのチップの確保をしているので、供給についてはさほど心配はしておりません」と答え、半導体不足がPS5の供給に与える影響はほとんどないと述べました。
ソニーは「当四半期におけるソフトウェア・ネットワークサービス売上は、全世界で巣ごもり需要が大きかった前年同期比では、主に自社制作以外のソフトウェア・アドオン売上の減少により15%下回りましたが、コロナ前である2019年度の同期間との比較では38%の増加となっており、この2年間を通して、ゲーム市場の規模が大きく広がっていると捉えています」とコメント。すでにゲームスタジオを複数買収しているソニーは、これからもソフトウェア開発強化に向けて戦略投資を行っていく構えを見せました。
そして、映像メディア・プラットフォームの増収には、映画「鬼滅の刃 無限列車編」関連の売り上げが貢献しているとのこと。さらに音楽のストリーミング売上も大きく成長していることが、音楽部門の成長につながったとソニーは述べています。
さらにEP&S分野の増収には、テレビやデジタルカメラなどの販売台数増加が大きく影響したとのこと。テレビについては、低価格帯の中小型商品市場では巣篭もり需要にかげりが見えているそうですが、ソニーの主力製品である大画面テレビ市場は堅調に推移しているそうです。デジタルカメラについては、需要が回復しただけではなく、軸足を高機能・高性能商品へシフトしたことで、すべての地域で好調な販売を記録できたとソニーは述べました。
・関連記事
PlayStation VRの次世代モデルの詳細が明らかに - GIGAZINE
PlayStation 5の全世界販売台数が歴代最速で1000万台を突破 - GIGAZINE
PS5やXbox Series XだけでなくPS4&Xbox Oneも品薄状態に - GIGAZINE
原価割れ状態で出荷されていたPlayStation 5が2021年6月に黒字化の見込み - GIGAZINE
ソニーの4K有機ELテレビ「BRAVIA XRJ-55A80J」レビュー、PlayStation 5の性能が認知特性プロセッサ「XR」による高画質・高音質で存分に引き出される - GIGAZINE
PlayStation Vitaがゲーム業界に与えた影響とは? - GIGAZINE
・関連コンテンツ