セキュリティ

WikipediaがDDoS攻撃疑惑を受けアーカイブサービスのArchive.todayをブラックリストに追加


Wikipediaの記事で情報源(ソース)として69万5000回以上もリンクされているウェブアーカイブサービス・Archive.todayへのリンクが、すべて削除されることとなりました。これはArchive.todayの運営者による特定の個人へのDDoS攻撃が原因となっています。

Wikipedia:Requests for comment/Archive.is RFC 5 - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Wikipedia:Requests_for_comment/Archive.is_RFC_5#


Wikipedia blacklists Archive.today, starts removing 695,000 archive links - Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2026/02/wikipedia-bans-archive-today-after-site-executed-ddos-and-altered-web-captures/

Wikipedia blacklists Archive.today after alleged DDoS attack | TechCrunch
https://techcrunch.com/2026/02/21/wikipedia-blacklists-archive-today-after-alleged-ddos-attack/

Archive.todayは「archive.is」や「archive.ph」といった複数のドメインで運営されているアーカイブサービスで、ペイウォールなどで保護されている有料コンテンツへのアクセス手段として広く利用されており、これまでWikipediaの引用元として多数の記事でArchive.todayのアーカイブが利用されてきました。

Wikipediaの編集者によると、Archive.todayは高度なスクレイピング手法を採用しており、一般的にInternet Archiveよりも信頼性が高いと考えられているそうです。

しかし、ボットネット・リンクスパム・サイトの運営方法に関する懸念から、Archive.todayは2013年にWikipediaのブラックリストに登録されました。その後、2016年にこの決定は覆され、Archive.todayのアーカイブが再びWikipediaで利用できるようになっています。記事作成時点で40万以上のページに69万5000件以上のArchive.todayへのリンクが含まれているとのこと。

Webpage archive
https://archive.is/


2026年1月、Archive.todayの管理者がジャニ・パトカリオ氏のブログ(gyrovague.com)に対してDDoS攻撃を仕掛けるために、悪意のあるJavaScriptコードをArchive.todayに挿入しました。これにより、ユーザーがCAPTCHAページに遭遇するたびに、インターネット接続が「gyrovague.com」への攻撃に利用されるようになったと編集者は説明しています。

これについて編集者は「明らかに読者の安全、そしてサービスの長期的な安定性と完全性について重大な懸念を引き起こすものです。この問題を引き起こすJavaScriptコードは今もウェブサイト上に残っています」と懸念を表明しました。


しかし、Archive.todayへのリンクを削除することは、Wikipediaの各ページの検証可能性を損なう可能性があるとして、一部から反発があったそうです。また、Archive.todayは他のアーカイブサイトよりも検閲が難しいと考える人も少なくなかった模様。

ただし、2026年2月19日時点で悪意のあるコードはArchive.today上で依然として有効であったため、Wikipediaは攻撃に加担することを避けるため、「gyrovague.com」へのネットワークリクエストをブロックせずにArchive.todayにアクセスしないことを強く推奨していました。


この議論を受け、現地時間の2026年2月20日にWikipediaはArchive.todayへのリンクを直ちに廃止することに合意しました。できるだけ早くArchive.todayへのリンクをスパムブラックリストに追加し、既存のリンクをすべて削除することになるとのこと。この決定について、Wikipediaは「ユーザーのコンピューターを乗っ取ってDDoS攻撃を実行するウェブサイトに読者を誘導すべきではないという強いコンセンサスがあります」と説明しています。

加えて、Archive.todayの運営者がアーカイブページの内容を改ざんし、信頼性を失わせているという証拠も提示されています。現状維持を支持する人々は、主にArchive.todayの検証可能性における有用性を主張しましたが、既存のリンクを分析した結果、その用途の大部分は置き換え可能であることが示されたため、Archive.todayへのリンクは削除されることとなりました。


なお、パトカリオ氏のブログである「gyrovague.com」がArchive.todayの運営者に攻撃された理由は、同氏が2023年にArchive.todayの所有者に関するブログを公開したためです。パトカリオ氏はArchive.todayの運営者について「才能豊かでヨーロッパへのアクセスも豊富なロシア人が、愛情を込めて一人で運営している」可能性が高いとブログで推測していました。

パトカリオ氏は最近になってArchive.todayの運営者から2~3カ月にわたって当該ブログ記事を削除するよう依頼されてきたことを明かしています。Archive.todayの運営者はパトカリオ氏に対して、「投稿自体は構わないが、問題は、主流メディア(Heise、Vergeなど)のジャーナリストがあなたのブログからほんの数語を抜き出し、あなたの投稿だけを引用元として全く異なる物語を作り上げ、お互いを引用し合い、幅広い読者に向けてひどい結果を提示していることだ」と説明したそうです。

削除要請を拒否したところ、Archive.todayの運営者は次第に「常軌を逸した脅迫」を行うようになったとパトカリオ氏は説明しています。この脅迫が行われるようになった頃、Wikipediaの編集者がArchive.todayのウェブページのスナップショットがパトカリオ氏の名前を挿入するために改変されていることに気づき、Archive.todayが「アーカイブとして信頼できないものになった」と懸念を表明するようになり、今回の事態につながっていったわけです。

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in ネットサービス,   セキュリティ, Posted by logu_ii

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