日焼けサロンは太陽光より圧倒的に有害で皮膚がんリスクが2.85倍、研究者は年齢制限を求める

日焼けサロンの中には「日焼けマシンのランプは日光より安全」などと説明しているサロンも存在します。そんな中、ノースウェスタン大学やカリフォルニア大学サンフランシスコ校の共同研究によって、日焼けマシンを使用することで皮膚がんのリスクが2.85倍に増加することが明かされました。また、DNA解析によって日焼けマシンが日光より広範囲のDNA損傷を引き起こすことも突き止められています。
Molecular effects of indoor tanning | Science Advances
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.ady4878
Tanning beds triple melanoma risk, potentially causing broad DNA damage - Northwestern Now
https://news.northwestern.edu/stories/2025/12/tanning-beds-triple-melanoma-risk-potentially-causing-broad-dna-damage
Indoor Tanning Makes Youthful Skin Much Older on a Genetic Level | UC San Francisco
https://www.ucsf.edu/news/2025/12/431206/indoor-tanning-makes-youthful-skin-much-older-genetic-level
研究論文の筆頭著者であるペドラム・ジェラミ教授は皮膚がんの研究医として20年以上にわたって皮膚がんの一種であるメラノーマの治療に携わってきました。長年の経験から、50歳未満の女性がメラノーマとして診断されるパターンが多いことに気づき、「日焼けマシンの使用がメラノーマの発症と関連しているのではないか」という疑いを持ったとのこと。
ジェラミ氏が率いる研究チームは日焼けマシンを使用したことがある3000人の患者と使用したことがない3000人の患者の医療記録を比較分析しました。その結果、日焼けマシン使用者の5.1%がメラノーマと診断されたのに対して、非使用者の診断率は2.1%だったことが判明。年齢・性別・日焼け歴・家族歴といった因子を調整した結果、日焼けマシンの使用はメラノーマの発症リスクを2.85倍に上昇させることが明らかになりました。
以下の図は左側は日焼けマシン使用者、右側が日焼けマシン非使用者で、色の濃さが部位ごとのメラノーマのリスクの大きさを示しています。日焼けマシンの使用者は腰や臀部といった日光の当たらない部位でのメラノーマの発症リスクが高くなることが分かりました。

また、「日焼けマシンの使用経験がある患者11人」「日焼けマシンの使用経験がない患者9人」「対照群用の死体ドナー6体」のメラノサイト(メラニン色素を産生し悪性化するとメラノーマとなる細胞)を採取してDNA配列を解析した結果、日焼けマシン使用者は対照群と比べて約2倍の遺伝子変異を有していることや、通常は日光が当たらない場所でも変異が生じていることが明らかになりました。DNA配列の変異が多いということは、メラノーマの発生に関連する変異が起きやすくなることを示しています。
ジェラミ教授によると、メラノーマを発症した患者の多くが教育を十分に受けていない若い年齢から日焼けマシンの利用を始めていると指摘し、未成年者による日焼けマシンの利用を違法化するべきだと訴えています。また、タバコにのパッケージに「肺がんのリスク警告」が大きく印刷されているのと同様に、日焼けマシンにも同様の表示義務を課すべきだとも主張しています。
・関連記事
冬で日差しが弱く感じても「日焼け」はする - GIGAZINE
睾丸を日焼けさせて男らしさをアップさせる健康法「睾丸日焼け」が爆誕、男性不妊症になるかもと医師は警告 - GIGAZINE
日焼け対策として抑えておきたいポイントとは? - GIGAZINE
78種類の日焼け止めから発がん性物質が検出される - GIGAZINE
タトゥー除去レーザーの仕組みはどうなっているのか? - GIGAZINE
・関連コンテンツ
in サイエンス, Posted by log1o_hf
You can read the machine translated English article Tanning salons are far more harmful than….







