Twitter創業者のモバイル決済企業・Squareが「ビットコインのハードウェアウォレット」を開発すると発表
モバイル決済企業「Square」のハードウェア担当責任者を務めるジェシー・ドロガスカー氏が、「ビットコインのハードウェアウォレット」を作る計画をTwitterで明らかにしました。SquareはTwitterのCEOであるジャック・ドーシー氏が設立した企業であり、ドーシー氏もドロガスカー氏の発言を確認しています。
We have decided to build a hardware wallet and service to make bitcoin custody more mainstream. We’ll continue to ask and answer questions in the open. This community’s response to our thread about this project has been awesome - encouraging, generous, collaborative, & inspiring. https://t.co/CHf9hAmKnn
— Jesse Dorogusker (@JesseDorogusker) July 8, 2021
Square is going to make a hardware wallet for bitcoin - The Verge
https://www.theverge.com/2021/7/8/22569309/square-hardware-wallet-bitcoin-jack-dorsey
Jack Dorsey Confirms Square Is Building a Bitcoin Hard Wallet - Decrypt
https://decrypt.co/75552/jack-dorsey-confirms-square-is-building-a-bitcoin-hard-wallet
Squareは以前からビットコインの採用に積極的であり、2018年にはSquareの送金アプリ「Cash App」がビットコイン取引に対応しているほか、2020年12月にはCash Appでのビットコイン還元サービスを開始しました。
Squareの送金アプリ「Square Cash」でスマホからのビットコイン売買取引が可能に - GIGAZINE
また、Squareはビットコイン自体への投資も積極的に進めています。2021年5月に報告されたSquareの2021年第1四半期(1月~3月)の決算は、2020年第4四半期(2020年10月~12月)に購入した総額1億7000万ドル(約186億円)相当のビットコインが値上がりしたことで、収益が大幅に増加したとのことです。
TwitterのCEOが設立したモバイル決済企業のSquareがビットコインの高騰で収益が3倍以上に増加 - GIGAZINE
そしてドーシー氏は2021年6月に、Twitter上で「Squareはビットコインのハードウェアウォレットの作成を検討しています」と述べました。
Square is considering making a hardware wallet for #bitcoin. If we do it, we would build it entirely in the open, from software to hardware design, and in collaboration with the community. We want to kick off this thinking the right way: by sharing some of our guiding principles.
— jack (@jack) June 4, 2021
ビットコインの取引には銀行の口座番号に当たるアドレスとそれに対応する秘密鍵が必要であり、通常はウォレットと呼ばれるソフトウェアに格納されています。インターネットに接続されているものをホットウォレット、インターネットから隔離されているものをコールドウォレットと呼び、コールドウォレットの一種として、ウォレットとして使用可能な専用の物理媒体である「ハードウェアウォレット」が存在します。
ドーシー氏は一連のツイートで、Squareがハードウェアウォレットを作成する場合、コミュニティと協力してオープンな形でソフトウェアやハードウェアの設計を行うと述べています。また、自己管理型のハードウェアウォレットが抱える問題点として、「安全性」や「利用の簡単さ」のバランスがあると指摘。ハードウェアウォレットには、安全性を高めすぎるとユーザーがビットコインを取引する際のハードルが上がり、取引の容易さを押し進めると安全性が低下するというジレンマがあると主張し、人々からの意見を募りました。
一連のツイートから1カ月以上が経過した7月9日、ドロガスカー氏がドーシー氏のツイートを引用して、「私たちはビットコインの保管をより主流にするために、ハードウェアウォレットとサービスを構築することを決めました。今後もオープンに質問と回答を行っていきます。このプロジェクトに関する私たちのスレッドに対するコミュニティの反応は素晴らしいものでした。励ましや寛大さがあり、協力的で、刺激的でした」とツイート。Squareがビットコインのハードウェアウォレット開発を進めることを明らかにしました。
このツイートはドーシー氏も確認し、「私たちはそれ(ハードウェアウォレットとサービスの構築)をやります」と述べています。
We’re doing it #Bitcoin https://t.co/IwbKuBoXGv
— jack (@jack) July 8, 2021
すでに、ビットコインのハードウェアウォレットとしては「Ledger」や「TREZOR」などがあり、Squareは後発ということになります。しかし、暗号資産関連の海外メディア・Decryptは、スマートフォンやタブレットに取りつけてPOSレジを展開できる端末およびチップリーダーを開発してきたSquareには、ハードウェアウォレットに応用可能なノウハウがあると述べました。
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