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AppleがApple Watchのディスプレイに触れることなく操作可能になる「AssistiveTouch」機能など強力なアクセシビリティ機能を発表


AppleはiPhone向けのアクセシビリティ機能として、コンテンツの読み上げや音声コントロールなど、さまざまな機能を提供しています。これらの機能を拡張し、iPhoneだけでなくApple WatchやiPad向けにも、これまでにないアクセシビリティ機能を追加することを発表しました。

Apple previews powerful software updates designed for people with disabilities - Apple
https://www.apple.com/newsroom/2021/05/apple-previews-powerful-software-updates-designed-for-people-with-disabilities/

Appleは運動障害や視覚障害、聴覚障害、認知障害などを持つ人々向けに設計された強力なソフトウェア機能を発表しました。これらの新機能はアクセシビリティ機能としてApple端末に搭載され、すべてのユーザーが自分用に端末をカスタマイズできるようになります。


新しく発表されたアクセシビリティ機能は以下の通り。

◆AssistiveTouch for Apple Watch
AppleはiPhoneやiPad向けのアクセシビリティ機能として「AssistiveTouch」を提供しています。AssistiveTouchは、物理ボタンやジェスチャーなどで行う操作を、画面上に表示されるボタンから行えるようにする機能で、「iPhoneのホームボタンが故障した際の解決策」としても広く活用されていました。

そんなAssistiveTouchがApple Watchにもやってきます。watchOS版のAssistiveTouchでは、Apple Watchのディスプレイやサイドボタン、デジタルクラウンに触れることなく、端末の操作が可能になります。実際、AssistiveTouchを使うとApple Watchをどんな風に操作できるのかは、以下のムービーを見れば一発でわかります。


AssistiveTouchでは、Apple Watchを装着している手を握ったり傾けたりする動作を検知して、端末を操作可能となります。Apple Watchに搭載されているジャイロスコープや加速度計、心拍数センサー、さらには機械学習を使用することで、筋肉の動きや腱の微妙な動きを検出しているそうです。これにより、ディスプレイに触れなくても簡単に着信に応答したり、通知センターやコントロールセンターにアクセス可能となります。

◆iPadの視線追跡サポート
さらに、iPadOSはサードパーティー製の視線追跡デバイスをサポートし、ユーザーが目だけでiPadを制御できるようにします。なお、視線追跡サポートは「互換性のある端末のみ」だそうです。

◆VoiceOverで画像を探索する
VoiceOverにも新機能が追加されます。VoiceOverに画像の説明をしてもらうという最新のアップデートに基づき、ユーザーが画像内の人物やテキスト、テーブルデータ、その他のオブジェクトの詳細をさらに詳しく調べることが可能になります。例えば、写真に写る人とオブジェクトの位置関係を詳細に説明することなどができるようになり、思い出をより詳細に追体験できるようになるとのこと。


◆iPhone向けの補聴器とオージオグラム
Appleはサードパーティー製品の中でも安全に使えるものにMFi認証を行っています。そんなMFi認証を受けた補聴器に関するプログラムにもアップデートが行われ、Appleは新しく双方向補聴器をサポートします。これにより、補聴器のマイクを利用して、聴覚障害者や難聴者がハンズフリー電話やFaceTimeでの通話が可能となります。MFi認証を受けた双方向補聴器は、2021年後半に発売される予定です。

さらに、オージオグラム(聴力検査)の結果をインポートすることで、出力されるオーディオをカスタマイズすることが可能となります。これにより、ユーザーの聴覚に合わせて特定の周波数が調整されることとなるわけです。


◆バックグラウンドサウンド
気を散らすものを最小限に抑え、ユーザーが集中したり落ち着いたり休んだりするのに役立つようなバックグラウンドサウンドも導入されます。海や雨、小川などの音がバックグラウンドで継続的に再生され、不要な環境ノイズや外部ノイズがマスクされます。バックグラウンドサウンドをオンにすると、他のオーディオサウンドやシステムサウンドに混ざって、音が常に再生されることとなります。


この他、ボタン操作の際に音を鳴らす機能や、色覚異常や視覚障害を持つユーザーでも画面が見やすくなるような設定、酸素チューブや人工内耳などを装着したミ―文字などが追加されます。


また、Appleは現地時間の2021年5月20日に、「SignTime」と呼ばれる新しいサービスをスタートします。SignTimeはアメリカ手話イギリス手話フランス手話のいずれかを使用して、ウェブブラウザ経由でAppleCareやカスタマーサポートといったサービスを利用できるようになるというもの。また、Apple Storeを訪れた際には、事前の予約などがなくてもSignTimeを使って手話通訳者にリモートアクセスすることが可能となります。SignTimeのサービスはアメリカ・イギリス・フランスで提供されますが、将来的には他の国と地域でも提供予定です。

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in モバイル,   ソフトウェア,   動画, Posted by logu_ii

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