AMDのサーバー向けCPUの市場シェア率の伸びが2006年以来の成長を見せる
AMDが発表した2021年第1四半期(1~3月)の決算報告から、サーバー向けCPU「EPYC」の売り上げが好調を見せ、サーバー向けCPUの市場シェアの伸び率は、AMDが2006年にマイクロプロセッサ「Opteron」で過去最大の市場シェアを獲得して以来最高のものとなったことが分かりました。
AMD’s Q1 Server Gain Against Intel Was Largest Since 2006
https://www.crn.com/news/components-peripherals/amd-s-q1-server-gain-against-intel-was-largest-since-2006
AMD EPYC Server CPUs Capture Highest Market Share Gains From Intel In 15 Years | HotHardware
https://hothardware.com/news/amd-epyc-server-cpu-gains-highest-share-intel-15-years
AMDが2021年4月に発表した決算報告から、消費者向けCPU「Ryzen」やグラフィックボード「Radeon」、サーバー向けCPU「EPYC」の好調により、前年同期比で約2倍の収益と約3倍の営業利益を記録したことが分かっています。
AMDの収益が前年同期比2倍に、Ryzen・Radeon・EPYCの好調により - GIGAZINE
調査会社「Mercury Research」の調査によると、AMDの2021年第1四半期のサーバー向けCPU市場のシェアは2020年度第4四半期から1.8ポイント上昇して8.9%となり、単一四半期での成長率は2006年第2四半期に次ぐ高さだとのこと。なお、AMDはサーバー向けCPU市場において、2006年にわずか18カ月で約5~7%から約22%までシェアを伸ばしたものの、その後の10年間にわたってシェアは低下。長い間、AMDはサーバー向けCPU市場でIntelに大きくシェアを奪われたままでした。
AMDがシェアを伸ばした理由として、サーバー向けCPUであるEPYCの台頭が要因にあるとみられています。2019年に発表されたEPYCの第2世代「EPYC 7002」シリーズは専門家から「歴史的」と絶賛される性能であり、GoogleやCloudflareといった大手IT企業が次々と自社インフラのCPUにEPYC 7002シリーズを採用していました。
AMDの第2世代「EPYC」採用の波にCloudflareが追従、次世代サーバーはIntel製CPUを排除 - GIGAZINE
さらにAMDは2021年3月16日にEPYCの第3世代となる「EPYC 7003」シリーズを発表しています。Milanのは64コア・128スレッド構成で、「Ryzen 5000」シリーズに搭載されているZen 3アーキテクチャを採用しており、Intelが開発する「Xeon」シリーズと比べて2倍以上のベンチマークスコアをたたき出すという性能が報告されていました。AMDはこれらの製品でシェアを伸ばすことで、91.1%というIntelの圧倒的な市場シェアに対抗していくものとみられます。
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対するIntelは2021年4月6日にサーバー向けCPU「Xeon Scalable Processors」の第3世代を発表。AMDの対抗馬としてしのぎを削っていくものとみられます。
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