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感染力の強い新型コロナウイルス変異株「N440K」の報告を受けインドの都市がロックダウンを行うものの、専門家は「ウイルスは減少傾向にある」と指摘


世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、従来のウイルスより感染力や感染した際の致死率が高い「変異株」が流行していることも知られています。1日の感染者数が30万人を超えたインドでは、一部地域で流行中のB.1.617変異株、あるいはイギリス型のB.1.1.7変異株より感染力が10倍強いとされる「N440K」変異株がアーンドラ・プラデーシュ州で確認されたという報告を受け、隣接するオリッサ州などが厳戒態勢に移行したものの、専門家は「N440Kは既知の変異株であり、減少傾向にある」と指摘、冷静に対処するよう忠告しています。

N440K alert: Odisha tightens the reins on Andhra border- The New Indian Express
https://www.newindianexpress.com/states/odisha/2021/may/05/n440k-alert-odisha-tightens-the-reins-on-andhra-border-2298638.html

There's no unique Andhra Covid strain which is 15 times more virulent, says CCMB chief
https://theprint.in/health/theres-no-unique-andhra-covid-strain-which-is-15-times-more-virulent-says-ccmb-chief/652773/

Covid-19: N440K variant, which wreaked havoc in South India last year, now fading, says CCMB - Coronavirus Outbreak News
https://www.indiatoday.in/coronavirus-outbreak/story/covid-19-n440k-variant-which-wreaked-havoc-in-south-india-last-year-now-fading-says-ccmb-1799090-2021-05-05

オリッサ州では、隣接するアーンドラ・プラデーシュ州およびテランガーナ州でN440K変異株が発生したとの報告を受け、両州とオリッサ州を結ぶ全ての道路に検問を設けて、全ての入州者を追跡するよう要請しました。両州から車両、あるいは飛行機で入州した人は、各地に設けられた一時医療センター(TMC)で14日間にわたる有償での検疫を強制されます。例外として、予防接種を完了している人は、入州後48時間以内に予防接種完了の証明書、あるいはPCR検査で陰性と診断された報告書を提出した場合、7日間の自宅検疫が許可されるとのこと。

N440K変異株はB.1.617変異株、あるいはB.1.1.7変異株の10倍感染力が高く、15倍致死率が高い変異株として報告され、2021年3月頃からインドで発生している感染拡大の第2波の原因ではないかとの声も挙がっていました。


しかし、インドの細胞分子生物学センター(CCMB)の所長であるRakesh Mishra氏は、「N440K変異株はかなり前から存在しており、既存の変異株よりも毒性が強いというのは誤解であり、変異株は減少傾向にあります」と述べています。

Mishra氏は誤解の元となったと思われる研究を引用し、「確かに、N440Kは培養下ではインドで流行中のA2a変異株よりも10倍高いウイルス力価をもっていますが、それはあくまで実験としての結果に過ぎず、人間の免疫力は考慮されていません」と主張しています。

論文の著者であるCCMBのVishal Shah氏は「研究のどこにもB.1.617変異株、あるいはB.1.1.7変異株と比較したとは書かれていません」と述べ、N440Kについて出回っている情報を否定し、情報を適切に調べるようお願いしています。

We did not compare the infective titer of N440K with UK or double mutant in this study. We compared it with its parent strain which did not have N440K mutation and with another strain which is now almost lost among the population.

— Vishal Sah (@acurious_one)


また、CCMBの科学者であるDivya Tej Sowpati氏は「N440Kは感染拡大の第1波で懸念すべき変異株として現れましたが、現在はB.1.617変異株やB.1.1.7変異株に置き換わっています」と述べています。

Lineages with #N440K are NOT the dominant ones in the second wave of #Covid19inIndia. While N440K was a indeed mutation of concern in South India during and after the first wave, current data shows that it is essentially replaced by new VoCs such as #B1617 and #B117 pic.twitter.com/3mbjLNijny

— Divya Tej Sowpati (@TejSowpati)


CCMBは「新型コロナウイルスが拡大を続けるにつれより多くの変異株が出現し、恐怖や情報の不確実性につながりますが、マスクをし、人混みを避け、ワクチン接種を行うことは、ウイルスの拡散を抑えることに何らかの形で役立つことは確かです」と述べています。

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in Posted by log1p_kr

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