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Microsoft Storeが「PCゲームの販売手数料を30%から12%に引き下げる」と発表、Steamの牙城崩しに動く


Microsoftが独自のアプリストアであるMicrosoft Storeで販売されるPCゲームについて、ゲームパブリッシャー側に課せられていた販売手数料を30%から12%に引き下げると発表しました。

Continuing Our PC Gaming Journey in 2021 and Beyond - Xbox Wire
https://news.xbox.com/en-us/2021/04/29/continuing-our-pc-gaming-journey-in-2021-and-beyond/

Empowering PC game creators with new tools, greater opportunity
https://www.linkedin.com/pulse/empowering-pc-game-creators-new-tools-greater-opportunity-sarah-bond/

Microsoft shakes up PC gaming by reducing Windows store cut to just 12 percent - The Verge
https://www.theverge.com/2021/4/29/22409285/microsoft-store-cut-windows-pc-games-12-percent

Matching Epic, Microsoft is slashing what it takes from developers to 12% | PC Gamer
https://www.pcgamer.com/microsoft-is-slashing-the-cut-it-takes-from-developers-by-18/

MicrosoftのXbox Game Studios部門のディレクターであるMatt Booty氏が公式ブログの中で、「すべてのPCゲームクリエイターに更なる活躍の場を提供するため、2021年8月1日以降、Microsoft StoreのPCゲーム売上高の開発者シェアを従来の70%から88%に引き上げます(=販売手数料を30%から12%に引き下げる)」と発表しました。この「12%」という手数料は、Epic Gamesが適切だと主張する販売手数料と同等です。ただしこの変更は「PCゲームのみ」に関するもので、Microsoft Storeで販売されるXboxのゲームは対象外。その理由については明かされていませんが、海外ニュースメディアはXboxのハードウェア価格を戦略的に引き下げてまで市場の拡大に動いているという点や、マーケティングなどを提供している点が影響しているのではと分析しています。


Booty氏は、Microsoftがゲームに関して「プレイヤーファースト」な取り組みを行ってきたものの、これまではコンソール・PC・モバイルとプラットフォームごとに市場が分断されてきたと主張しています。しかし今日ではプラットフォームをまたいでプレイできるようなゲームが多数登場するようになっているため、「プレイヤーファースト」な取り組みをPCゲームにまで拡大し、PCゲームエコシステム全体に対する投資を今後も継続すると語りました。

この投資の一環として、Booty氏は「Microsoft Storeで購入したPCゲームのインストール精度とダウンロード速度を向上させる」と約束していますが、これについて「Microsoft StoreがMicrosoft Storeの大規模改修を予定している」と報じられており、オーバーホール後のMicrosoft Storeの性能向上を意図しているのではと報じられています。

Microsoftがアプリストア「Microsoft Store」の一新を図っている - GIGAZINE

by Microsoft Corporation

また、Booty氏は「この18カ月間でAge of Empires II: Definitive EditionAge of Empires III: Definitive EditionGears TacticsWasteland 3Minecraft DungeonsMicrosoft Flight SimulatorなどのPC版をリリースしており、これらのタイトルの多くはリリース時にSteamを上回る売上を記録しました」とライバルであるSteamについても言及。ValveはSteamの販売手数料を基本30%、売上が1000万ドル~5000万ドル(約11億円~54億円)ならば25%、5000万ドル以上は20%といった風に設定しているため、今回の販売手数料改定によるゲームパブリッシャー側に対するメリットを強調しています。

SteamはPCゲームの販売プラットフォームとして最大手ですが、ほとんどのゲームは売上が1000万ドルに届かないため、多くのゲームクリエイターが30%という割高な販売手数料に苦しめられており、一部からは販売手数料に対して「不公正だ」という声が上がり始めています。2021年4月にGame Developers Conferenceがゲーム開発者を対象に行った調査では、30%という販売手数料に正当性があると考えている開発者は「わずか3%」だったという結果が得られています。

Booty氏は今回の発表を「PCのエコシステム全体に関わる私たちの活動は、業界を前進させ、世界中のより多くのゲーマーに素晴らしいゲームを提供するために、一致団結する可能性を秘めています」と結び、PCゲーム市場全体の利益を目指していると強調しています。

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in ネットサービス,   ゲーム, Posted by darkhorse_log

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