サイエンス

がんや心臓発作のリスクを抑えるために控えるべき食品&推奨される食品とは?


食事の内容は、健康に大きく影響することが知られています。新たにディーキン大学の研究チームが行った調査によって、生活習慣病やがん発症のリスクと食事内容が大きく関係していることが判明しました。

Dietary Inflammatory Index and Human Health: An Umbrella Review of Meta-Analyses of Observational Studies | Advances in Nutrition | Oxford Academic
https://doi.org/10.1093/advances/nmab037


Clear evidence for a link between pro-inflammatory diets and 27 chronic diseases. Here’s how you can eat better
https://theconversation.com/clear-evidence-for-a-link-between-pro-inflammatory-diets-and-27-chronic-diseases-heres-how-you-can-eat-better-158451

近年、体内で軽い炎症が長期間持続する「慢性炎症」と呼ばれる症状が、がんや生活習慣病を引き起こす要因として注目され始めています。この慢性炎症の発症に対して、食事が影響を与える度合を数値化した「Dietary Inflammatory Index(DII)」と呼ばれる指数が存在しており、DIIと疾患の関連を調査する研究が数多く行われてきました。

研究チームは、数多く存在する「DIIと疾患の関連性を調査した研究」を包括的に検証し、436万111人の被験者に対する38種類の疾患についての調査結果をまとめました。その結果、DIIの高い食事が心臓発作・がん・うつ病などの疾患の発症リスクを高めていることが判明しました。

研究チームによると、DIIの高い食事には、「超加工食品を多く含み、果物や野菜の少ない高カロリーな西洋式の食事」が該当するとのこと。反対に、「果物・野菜・豆類・油性魚を多く含み、超加工食品の少ない地中海式」の食事は、DIIが低く健康的な食事であると、研究チームは主張しています。


研究チームは「インターネットでは、健康になるためのサプリメントが宣伝されていますが、全ての慢性炎症を抑えるような魔法のサプリメントは存在しません」「慢性炎症を改善するためには、単一の栄養素ではなく、食事の全体的な質に焦点を当てる必要があります」と語り、慢性炎症を抑えるために、以下のような食事を推奨しています。

・食物繊維やビタミン、ポリフェノールなどの抗炎症作用がある果物・野菜・全粒穀物・豆類を多く食べる
・食べ物の味付けにはハーブやスパイスを用いて、お茶やコーヒーを定期的に飲む。これらの食品にも、ポリフェノールが多く含まれている
・抗炎症性のオメガ3脂肪酸を豊富に含んだサケ・イワシ・サバなどの油性魚を定期的に食べる
・焼き菓子・揚げ物・脂肪の多い肉の摂取を控える。これらの食品には、慢性炎症を助長するトランス脂肪酸や飽和脂肪酸が多く含まれている

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in サイエンス,   , Posted by log1o_hf

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