ネットサービス

Appleが集団訴訟に直面、App StoreやiTuneのコンテンツに「購入」と表示しているのは欺まん的なのか?


Appleは近年、App Storeの運用に関して多くの訴訟に直面していますが、新たに、Appleのプラットフォームで提供されるデジタルコンテンツに「購入」という言葉が使われていることは欺まん的だという訴えが提出されています。消費者が実際に行っているのは「購入」ではなく「賃借」であると原告は主張しており、デジタル・コンテンツの「購入」とは何かが問われています。

UNITED STATES DISTRICT COURT FOR THE EASTERN DISTRICT OF CALIFORNIA
(PDFファイル)http://casefilingsalert.com/wp-content/uploads/2020/09/Apple-Video-Content.pdf

UNITED STATES DISTRICT COURT NORTHERN DISTRICT OF CALIFORNIA
(PDFファイル)https://www.classaction.org/media/price-v-apple-inc.pdf

Apple Must Face Lawsuit Over iTunes "Buy" Button | Hollywood Reporter
https://www.hollywoodreporter.com/thr-esq/apple-must-face-lawsuit-for-telling-consumers-they-can-buy-movies-tv-shows

Apple sued for terminating account with $25,000 worth of apps and videos | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2021/04/apple-faces-class-action-lawsuit-over-its-definition-of-the-word-buy/

AppleはiTunes Storeで映像や音楽といったコンテンツの配信サービスを提供していますが、コンテンツの提供に関して、Appleは画面上の選択ボタンに「購入」という文字を示しています。このため、コンテンツを利用する人の多くは「自分はコンテンツを購入している」と認識します。


しかし、新たにAppleが直面している集団訴訟で、弁護士のデビッド・アンディーノ氏は「実際にはAppleは消費者が購入したものへのアクセスを遮断する権利を有しており、購入という用語を使うことは欺まん的だ」と主張。消費者の行為は「購入」ではなく「賃借」にあたると述べました。

これに対しAppleは、「消費者が購入したコンテンツが消失する」という原告の主張は推論的なものであり、実際的なものではないと主張。「経済的損失」とは購入時に多額の支払いを行うことや、不正確な表示に対してお金を支払うことをいうため、原告に経済的損失は発生していないという理論を展開しました。

しかし、アメリカ地方裁判所のジョン・メンデス裁判官は、Appleの見解を認めませんでした。「Appleは、『消費者がiTunesのプラットフォームにコンテンツが無期限に残り続けると信じること』が合理的ではないと主張しています。しかし、一般的な使用方法からいうと、『購入』という言葉は所有権の取得を意味します。少なくとも棄却の申し立ての段階では、消費者が自分のアクセスが取り消されないと信じることはもっともらしいと言えます」とメンデス裁判官は述べました。


また、Appleは上記とは別の訴訟でも、プラットフォームの運用について問われています。

原告であるマシュー・プライス氏は約265万円をApp Store・iTunesでの購入およびアプリ内購入に費やしたのですが、その後、Appleがプライス氏のアカウントを停止したことで、購入したアイテムにアクセスできなくなったとのこと。


上記2件の訴訟はいずれも、Appleのプラットフォームで「購入」したコンテンツが、将来的にアクセスできなくなる可能性のあることに関連したもの。デジタルコンテンツを個人が「所有」することの概念自体が問われているといえます。

このような訴訟を起こされているのはAppleだけではありません。Amazonも、Amazonプライム・ビデオのサービス提供に関して、同様の訴訟を起こされています。

「Amazonプライム・ビデオのユーザーはコンテンツを実際に購入しているわけではない」とAmazonが主張 - GIGAZINE

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
「俺妹」「異世界魔王」などのラノベ&漫画作品のKindle版がAmazon.comから消滅 - GIGAZINE

Netflixは各国政府の申請を受けて合計で9個の作品を配信タイトルから削除していた - GIGAZINE

Amazonや楽天に振り回されない自由な電子書籍リーダーの開発プロジェクトが進行中 - GIGAZINE

Epic GamesがAppleの独占禁止法違反を欧州委員会に申し立て - GIGAZINE

AppleがDRM関連の技術特許を侵害しているとして約340億円の支払いを命じられる - GIGAZINE

アプリに対して「Appleでサインイン」機能の搭載を強制することは独占禁止法違反の疑いがあるとして調査がスタート - GIGAZINE

in ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article Is it deceptive for Apple to say 'buy' i….