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Appleが広告業界を激変させる新ルール「App Tracking Transparency」適用の締め切り日をアプリ開発側に示す


AppleはiOS 14.5以降でプライバシーポリシーを大きく変更する予定であり、これが既存の広告システムに大きな影響を与え、「広告業界のエコシステムが一転する」といわれています。AppleはiOS 14.5の公開日を明らかにしていませんが、2021年4月20日付けで、開発者向けのページにおいて「2021年4月26日までに仕様変更を行うこと」を求めました。

App Storeへの提出に関するアップデート - ニュース - Apple Developer
https://developer.apple.com/jp/news/?id=ib31uj1j


AppTrackingTransparencyの要件への対応について - ニュース - Apple Developer
https://developer.apple.com/jp/news/?id=ecvrtzt2

Apps Must Adhere to App Tracking Transparency Rules and Be Built With iOS 14 SDK Starting April 26 - MacRumors
https://www.macrumors.com/2021/04/20/app-tracking-transparency-april-26-enforcement/

Appleは2020年に「アプリが広告識別子であるIDFAを使ってユーザーの行動を追跡するには、事前にユーザーの許可が必要になるよう、iOSのポリシーを変更を行う」という予定を発表しました。プライバシー強化を目的とした「App Tracking Transparency(ATT)」と呼ばれるこの機能は、当初2020年中に導入される予定でしたが、延期が発表され2021年春に公開予定のiOS 14.5で実装される予定だと示されました。

この延期の原因は広告関連企業からの反発にあります。多くの広告企業は、IDFAを利用してユーザーの行動を追跡し、そのデータを分析して「ユーザーの興味・関心が高いと思われる広告」を表示します。これにより、ユーザーが広告をタップしやすくなり、広告の費用対効果が高くなるためです。IDFAの利用がユーザーの許可制になれば、多くのユーザーでIDFAを利用したこのようなターゲティング広告を表示できなくなるため、「広告のパフォーマンスが低下する」というのが広告企業の大きな懸念となっています。

Appleは「ATTをiOS 14.5で導入する」と発表したものの、具体的な時期については明示していません。しかし、2021年4月21日2時から行われたAppleの配信イベント後……

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Appleは開発者向けページで「App Store submission update(App Storeへの提出についてのアップデート)」を公開。iPhoneおよびiPadアプリに関しては「2021年4月26日以降、App Storeに提出される全てのiPhoneおよびiPadアプリは、Xcode 12およびiOS14 SDK以上でビルドする必要があります」と示されました。Apple Watchについても同様に、4月26日以降はXcode 12およびwatchOS 7 SDK以上でビルドするよう記されています。

iOS AppとiPadOS AppをApp Storeに提出する - Apple Developer
https://developer.apple.com/jp/ios/submit/


App StoreにwatchOS Appを提出する - Apple Developer
https://developer.apple.com/jp/watchos/submit/


またAppleは「iOS 14.5、iPadOS 14.5、tvOS 14.5の公開以降、全てのアプリはApp Tracking Transparencyフレームワークを使ってユーザーに追跡あるいは広告識別子の使用許可を求める必要があります。追跡を有効にすることについてユーザーの許可を得ない限り、デバイスの広告識別子の値はゼロになり、それらを追跡することはできません」とも明示。

加えて、名前やメールアドレスなどを使用するといった形の追跡を含め、いかなる追跡もApp Storeの製品ページのプライバシー情報に記載する必要があり、ATTを通じて許可があった時のみにこれらは有効になるとのこと。アプリをApp Storeに公開するためにはAppleによるレビューを経ますが、レビューのため、開発側は「ユーザーを追跡する理由」をシステムプロンプトに含めることも求められています。上記の要件も4月26日以降の全てのアプリに適用されるとのことです。

Appleが「2021年4月26日以降」と記しているということは、26日当日あるいはその翌日にiOS 14.5が公開されていることを示唆している、とMacRumorsは記しています。

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in ソフトウェア, Posted by darkhorse_log

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