レビュー

強い馬を育てつつ競馬界に人脈を広げ世界のレースも目指す「Winning Post 9 2021」プレイレビュー


競馬シミュレーションゲーム「Winning Post(ウイニングポスト)」シリーズの最新作「Winning Post 9 2021」が、2021年4月15日(木)に発売されました。ちょうど世間的に競馬熱が盛り上がる中に送り出される伝統のシリーズ最新作はどんなものなのか、実際にプレイしてみました。

Winning Post 9 2021 公式サイト
https://www.gamecity.ne.jp/winningpost9/2021/

「Winning Post 9 2021」はWindows版(パッケージ版/ダウンロード版)、PlayStation 4版、Nintendo Switch版が用意されています。今回はNintendo Switchでプレイしています。

タイトル画面はこんな感じ。「Winning Post 9」「Winning Post 9 2020」のセーブデータやエディットデータがある場合は引き継いでプレイすることができるほか、「Winning Post 8」シリーズのセーブデータがある場合はボーナスがもらえます。今回はゼロからプレイしていきます。


ゲーム開始年を「1984年」「1991年」「1998年」「2005年」「2022年」の5つから選びます。

「1984年」は、ミスターシービーによる三冠達成の翌年で、シンボリルドルフビゼンニシキらがクラシックに挑む世代。


「1991年」は、オグリキャップが引退レースの有馬記念を劇的な勝利で飾った翌年。シンボリルドルフの初年度産駒たちのクラシック挑戦年で、トウカイテイオーらが登場します。


「1998年」は、天皇賞(秋)を制したエアグルーヴが牝馬としてトウメイ以来26年ぶりに年度代表馬に選出された翌年。エルコンドルパサーグラスワンダースペシャルウィークがクラシックに挑みます。


「2005年」はディープインパクトがクラシック挑戦の年。シックスセンスインティライミアドマイヤジャパンらが三冠阻止に立ちはだかります。


「2022年」のみ、史実馬はすべて引退済み。競馬の未来を自分の手で作り出していくことになります。


たとえば、2021年の桜花賞を制した白毛馬・ソダシもすでに引退して繁殖入りしていることになっています。


開始年を決めたら、まずは「システム設定1」で難易度などを決めます。難易度は「EASY」「NORMAL」「HARD」「EXPERT」「ULTIMATE」「SPECIAL」の6段階。「HARD」以上だと自分の競走馬、特に海外馬の「闘志」が上がりやすく勝ちにくくなります。また、配合や育成面も「やり応えが増加」するので、「ゲームぐらいは無双プレイしたい」という人はEASYかNORMALを選んでください。なお、5年以上プレイすると、西暦下1桁が0か5の年の1月1週に難易度変更ができるので、「これならいける」と思ったら上の難易度に変更するのもアリ。また、「史実馬の誕生年」を「仮想の年」にすると、プレイヤーが一部の馬を所有することでレース内容・展開などが変わるというレベルではない、完全に架空の歴史が作られることになります。


続いて「システム設定2」では「スペシャル種牡馬」の導入ができます。これは、事故や病気などで亡くなってしまった馬や、現実には乗馬になってしまった馬などを種牡馬としてゲーム中に登場させる設定。


選べる種牡馬は開始年により異なります。たとえば1984年プレイなら、1976年に亡くなったコダマや種牡馬にならなかったテンポイント、1世代だけを残して早世したホウヨウボーイなど、2005年プレイならサイレンススズカツインターボなどを追加できます。


「馬主登録申請」はプレイヤーの分身となる馬主情報を登録します。なお、馬たちが世代交代していくように、プレイヤーも一定の年齢になると引退し、子孫や後継者に代替わりします。


名前・年齢・本拠地だけではなく、勝負服も設定します。なお、勝負服はゲーム開始後も変更可能です。


「牧場開設」では、牧場を開設する地域と名前、牧場長を決めます。


地域は伊達、白老、安平、鵡川、日高、新冠、静内、三石、浦河、襟裳、大樹の11カ所から選べます。なお、選んだ地域の牧場と最初に親交を深めることになりますが、長期間プレイしているとだいたいどこでも差はなくなります。


最後に「秘書選択」。他の馬主などとの会話はすべてプレイヤーである馬主の代わりに秘書がこなしてくれます。能力差はないので、好みで選んでください。


これで、馬主兼生産者(オーナーブリーダー)としての道を歩み始めることになりました。


……が、まだ馬の話には入りません。秘書から「結婚」について聞かれます。


選択肢は4つ。


「お見合い」を選ぶと、秘書が候補者を連れてきてくれます。「お見合い2」だと結婚経験があって子どもが男女1人ずついる人が候補者となります。将来的に、子どもたちは牧場のスタッフになったり、あるいは騎手になったりすることがあるので、早めに子ども関係の話を進めたい人はこの選択肢もアリ。なお、「今は独身」にすると、ゲーム中に出てくる様々な人物との友好度を上げて結婚する道が選べます。秘書たちもそれぞれの条件をクリアすれば結婚できます。


続いては、仲間が増えたということで、馬主の天城綾さんが3歳牡馬・3歳牝馬の中から1頭を世話してくれます。


1991年開始の場合の3歳牡馬はこんな感じ。歴史を知っていれば「なるほど、このメンツでこの年のクラシック戦線に挑めと……」という顔ぶれ。「列伝」の項目にアイコンがある馬は、細かい名馬列伝が用意されています。


名馬列伝はこんな感じ。今回はナイスネイチャを購入することにしました。


購入したら馬名を決めます。史実馬の名前でも変更可能ですが、ここはこのままいくことにしました。馬名はレースシーンの実況で読み上げられます。


どんな発音なのかは事前に設定されていますが、自分で変えることもできます。


生産者としては、牧場に将来の競走馬を産んでもらうための繁殖牝馬が必要。これも天城さんが春に向けて手配してくれるのですが、その際に、3月4週までに皐月賞の優先出走権を得ればより優秀な繁殖牝馬を譲ってもらえるとのこと。


これが当面の目標となります。


ということで、一連の処理を終えてたどり着いたホーム画面はこんな感じ。本来やれることは多数あるのですが、一気にやれるようにするとどこから手をつけていいのかわからなくなるため、段階的に解放されていくようになっています。やることがなくなったらBボタンか右端の「→」アイコンを押して、次の週へ進みます。


なお、新たなコマンドが実行できるようになったり、新しいことがわかるたびに表示されるチュートリアルは、あとから「機能」→「チュートリアル」で再確認が可能。


虎の巻としてプレイヤーを助けてくれるはずです。


最初のうちは、出走するレースまで時間があるので、毎週のように訪問者が現れて、新たな情報を教えてくれるという流れ。


たとえば、3歳牡馬のクラシック戦線でどういった馬が有力視されているかといった情報がもらえます。右下のレオダーバンも譲ってもらえる対象だった1頭なので、どれだけ恵まれたリストだったのかが改めてわかります。


1カ月が終わると収支結果画面になります。馬の購入をしただけなので、赤字に。なお「牧場経費」は固定費として毎月かかります。また、「預託費」は預けている馬の投数に比例して増加することになります。牧場経営を成り立たせるためには、強い馬を生産してレースでお金を稼ぐか、あるいは高く売れるような馬を生産するかしていく必要があります。


牧場を訪れる人からは「絆」をもらうことがあります。たとえば「調教師との絆」は、「【軽め調教】競走馬を軽めに追って調子を上げる」か「【疲労回復】競走馬の疲労を癒やす」の効果が得られます。


所有する絆はホーム画面左上で確認可能。絆は右側の厩舎カメラの下にあるように、毎月使える数が決まっていて、最初は「1」です。効果は強力なので、手に入れた絆をどこで使うかがポイント。必要なときにないと困りますが、ため込んでも意味はないので、ここぞというところでは出し惜しみせず使いましょう。


2月3週、ナイスネイチャが共同通信杯に出走する週が来ました。もし出走馬の調子がまだよくないと思ったり、疲労がたまっていそうだというときにはYキーで「出走」を「回避」に変更すればレースに出さないこともできます。


この間も、「はじめまして」な知人の来訪は続いています。この週は牧場長が、牧場施設について教えてくれました。


プレイヤーは最初からある程度の施設がそろった牧場を譲り受けてオーナーブリーダー生活を始めていますが、まだまだ牧場には改善の余地がある施設や、まだ建てていない施設があります。強い馬を輩出するために、お金を稼いでこれらの施設もそろえていきたいところ。また、施設にスタッフを配置することで効果を高めることもできます。ただし、施設には維持費もかかるので、無計画に施設を拡大すると維持に苦しむことになります。


ターンを終えたら、いよいよレースへ。1番人気はスタビライザー、2番人気はサクラヤマトオー。ナイスネイチャは5番人気です。


画面下部の6つのアイコンは左から順に「パドック観覧」「競馬新聞閲覧」「騎手への作戦指示」「レース観覧」「ダイジェスト観覧」「レースを見ない」となっています。


パドックはこんな感じ。首の下げ方などで調子の違いが表現されていますが、現実だと馬ごとに大きく異なるものの、ゲームだといくつかのパターンでの表現となるため、プレイ時間が長くなると見なくなります。


これが競馬新聞。5つの予想印により、自分の馬の能力評価をうっすらと知ることができます。


作戦指示はこんな感じ。最初から馬に合った作戦になっていますが、他の馬の脚質の偏りを見て作戦を変更したり、複数の馬を出すときは特定の馬に大逃げさせてレースを乱したりという使い方ができます。


残り3つのアイコンはレースの見方の違いで、「レース観覧」だとゲート入りからゴールまですべてチェック、「ダイジェスト観覧」だとレース終盤からゴールまでをチェック、「レースを見ない」だとそもそもレースシーンは飛ばして結果だけをチェックすることになります。

レースシーンはこんな感じで、画面上部に馬群でのそれぞれの馬の位置を示した図が示され、下にカメラ映像が表示されます。上部の図で、四角いアイコンが所有馬を示します。カメラはデフォルトは実況に合わせた位置を写しますが、LRキーで一番人気馬にフォーカスしたカメラと、所有馬にフォーカスしたカメラに切り替えることができます。


結果は、5番人気ながら10着。史実のナイスネイチャは、3歳春は休んでいて、夏から上がってきた馬なのでしょうがないところ。


なお、ゲームによってはキャラクターの能力は全開示されているので、それに合わせた戦略を立てることができますが、「Winning Post」ではたとえ所有馬であっても、牧場長や調教師、騎手からコメントを得ないとどれぐらいの能力を持っているのか、具体的に知ることはできません。以下の場合、勝負根性と健康の情報だけははっきりしているものの、まだ距離適正や馬場適性が不明なので、血統情報などと付き合わせながら「きっとこのあたりが得意だろう」というのを探りつつレースに出していくことになります。


これは別の馬ですが、もっと情報がわかってくるとこんな感じ。


その後も皐月賞の出走権を目指して別のレースに出たものの惜敗。目標を日本ダービーに切り替えて、優先出走権が得られる青葉賞に出走することにしました。出馬表はこんな感じで、ナイスネイチャは1番人気マイロムルスに僅差の2番人気。


レースはヤマニンフォックスフジヤマケンザンが前の方に行く展開。


ややスローペースの中、ナイスネイチャはやや前方に位置取りました。


大きな展開の変化がないまま、東京競馬場名物「大ケヤキ」を通過。なお、「大ケヤキ」と呼ばれているものの、現在立っているのはエノキだとのこと。


各馬、最終コーナーを回ってきました。


1番人気のマイロムルス(黄色い帽子に青いマスク)と並ぶようにして上がってきたナイスネイチャ。


直線でマイロムルスとの激しいたたき合い。


半馬身前に出て……


そのまま粘り込み、勝利。


これで日本ダービーの優先出走権も獲得し、クラシック戦線に名乗りを上げましたが、ダービーには当然、皐月賞を制したトウカイテイオーが闘志マックスで現れ、ぶっちぎられました。

……とはいえ、クラシック戦線で戦うことだけが競走馬のすべてではありません。サクラバクシンオーのように短距離をバクシンさせるもよし、ライスシャワーマヤノトップガンのように長距離を走らせるもよし。将来的には海外にも進出していきたいところ。

また、ゲームオリジナル要素として「世界最強馬決定戦(WHC)」があり、有力馬になると招待を受けることがあります。ここでワールドチャンピオンになれば、種牡馬入りしたときの人気が高まり、その馬を筆頭とした新たな「系統」が生まれる確率も高まります。


短期的には「所有している馬を活躍させること」、中長期的には「牧場経営を続けていくこと」が目標となりますが、この世界の「8大栄誉」なども設定されていて、どこまでも深くやりこんでいくことが可能です。


プレイを助けてくれる要素の1つとして、「競馬用語辞典」も充実。競馬用語には耳なじみのないものが多数ありますが、レース関係から生産・配合、一般的なものまで、多数をカバーしてくれています。


「名勝負列伝」では、史実の名勝負としてどういったものがあったのかをチェックできます。


「コーエースポーツ(コースポ)」はゲーム内の競馬世界のトピックスを知るのに便利。


重賞レースの回顧や展望も掲載されています。


路線ごとにどういった有力馬がいるのか、これから先どういったレースへの出走を予定しているかも示されています。


「Winning Postの競馬世界にさらにリアリティを持たせたい」、あるいは「自分好みにしたい」という人のために、エディット機能も充実しています。


「馬エディット」では現役競走馬と種牡馬の編集が可能。


ゴールドシップの賢さ「F+」について「そんなことはない!」と思うのであれば適宜、足してあげてください。


人物では騎手、調教師、馬主、牧場長のエディットが可能。


騎手は実名で出ている人がいる一方……


コーエーオリジナルの架空騎手のほか、実在の騎手をモデルにした架空騎手もいるので、モデルであろう人の名前に戻すこともできます。


「Winning Post 9 2021」は、Amazon.co.jpではPCのパッケージ版が6949円Nintendo Switch版PS4版が7018円で販売中。


Steamでは記事作成時点で早期特典付きが8580円で販売されています。

Steam:Winning Post 9 2021
https://store.steampowered.com/app/1418870/Winning_Post_9_2021/

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in レビュー,   ゲーム, Posted by logc_nt

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