AppleがiOS 14.5から「アプリによるトラッキング」の規制を強化か、すでにアップデートを拒否されたという報告も
AppleがiOSの「アプリのトラッキングの透明性」のルールに準拠していないアプリのアップデートを拒否していると報じられています。この動きは、2021年春にリリースされるiOS 14.5のプライバシーに関するルールが、これまでのバージョンよりも厳しくなっているためとみられています。
App Store now rejecting apps using third-party SDKs that collect user data without consent - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2021/04/01/app-store-now-rejecting-apps-using-third-party-sdks-that-collect-user-data-without-consent/
Apple Now Rejecting App Updates That Defy iOS 14.5 App Tracking Transparency Rules - MacRumors
https://www.macrumors.com/2021/04/01/apple-rejecting-app-updates-tracking-transparency/
Apple rejecting apps that collect data for 'device fingerprinting' | AppleInsider
https://appleinsider.com/articles/21/04/02/apple-reportedly-rejecting-apps-built-with-sdks-that-incorporate-device-fingerprinting
アプリの開発者は、アプリの中でデバイスのOSやバージョン、タイムゾーン、IPアドレスなどの情報から生成される「デバイスフィンガープリント」でインターネット上のユーザーを識別し、ターゲティング広告や分析を行うことが可能です。
Appleはデバイスフィンガープリント自体は禁止していませんが、2021年1月にリリースされたiOS 14.4からはユーザーの許可なしにアプリは広告トラッキングができない仕様となりました。
Appleが広告トラッキングを制限するためのポップアップ表示をiOS 14.4のベータ版でテスト - GIGAZINE
iOS向けアプリ用のソフトウェア開発キット(SDK)であるiOS SDKを使えば、Appleのプライバシーガイドラインに準拠しているので問題はありません。しかし、一部のサードパーティ製のSDKはAppleのプライバシーガイドラインに準拠しておらず、ユーザーの許可を回避してアプリがデバイスフィンガープリントを取得してユーザーを追跡することができるそうです。
そんな中、Appleが「アプリのトラッキングの透明性」のルールに準拠していないアプリのアップデートを拒否し始めたと報じられています。フランスの配車サービス「Heetch」のマーケティングプロダクトマネージャーであるAude Boscher氏は業界のSlackチャンネル上で「私たちのアプリが、デバイスフィンガープリントを作成するMMP SDKが原因で、Appleのアプリレビュアーから拒否されました」と告白したそうです。
Heetchの他にもいくつかのアプリが「このアプリはアルゴリズムで変換されたデバイスと使用状況データを使用して、ユーザーを追跡するための一意の識別子を作成しています」というメッセージと共に更新を拒否されているとのこと。これは、「アプリのトラッキングの透明性」ルールが、2021年春にリリースされる予定のiOS 14.5でより厳しくなってしまったためとみられています。
アナリストのEric Seufert氏は、「デバイスフィンガープリントに使うデータ収集を行うAdjust SDKを含むアプリのアップデートが拒否されています」と報告。Adjust SDKは多くのアプリで使用されているSDKで、Seufert氏は5万種類以上のアプリが影響を受けるとみています。
Per a number of developers, Apple has begun rejecting app updates that include the Adjust SDK related to its collection of data used for device fingerprinting.
— Eric Seufert (@eric_seufert) April 1, 2021
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